表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第一章 眠り姫
362/2704

進む道が二つ

 森に落ちてたのはバトルシップだった。そしてそこには生き残ったサン・ジェルク側の僧兵が居た。僕達は彼等も戦力に加えようとする。まあ当然リア・レーゼ側の僧兵さんは反対したけど、そこは妥協してもらわないといけない。

 だって、僕達は余りに非力だ。だけどリア・レーゼを救うためにはまだこの数十人が加わっても少ないと思った。このままリア・レーゼへ向かっても、聖獣軍団に勝てる気はしない。

 戦局は覆せない、それならもう一つの道を……それに懸けるしかない。


「なあ、これ動くのか?」


 思わず言った言葉に僕もちょっと驚いたけど、周りもなんかキョトンとしてる。質問の答えじゃないからかな? だけどサン・ジェルク側の誰かが、こう言ってくれたよ。


「修理をすれば――と言うところでしょうか。だけどそれだけじゃどうしても解決出来ない問題があるんです。だけどそちらの飛空挺の力を貸して頂けるのなら……動けるようには成るでしょう」


 随分丁寧な口調だな。なんかムズガユい。だってサン・ジェルクでは最初くらいしかそんな喋り方して貰えなかったからね。

 すると彼らの言葉に、こちらの僧兵さんが食いつくよ。


「ふざけるな! こっちは一刻も早くリア・レーゼに戻りたいんだ! ここで時間を取ってる暇なんて無い。助かりたかったら飛空挺には乗せてやる! 

 だけどそれは、リア・レーゼを聖獣から守る事を条件にだ!」


 僧兵さんの言葉にサン・ジェルク側の皆さんもざわめくよ。


「リア・レーゼは聖獣の攻撃を受けてるのですか?」


 ってのが大半。そう言えば向こうは知らない事か。てか、背中を預けるなんて出来ないとか言ってた癖に、ちゃっかり自分から取り入れようとしてるじゃん。

 助ける気はあるんだね。いや、使う気――なのかな? 僕たちだけじゃどうしようもない状況かも知れないもんね。


「そ……その可能性があるかもってだけだ。ど、どうするんだ? どうやらこちらの協力無しではその最新もタダのガラクタみたいだし、ここにいつまでも居たらいつ聖獣が帰ってくるか分からないぞ」


 生き残りたいのなら、こちらに協力をするしかない……みたいに聞こえるね。まあ実際そうかもだけど、ここに残った方がいいかも知れない見方も出来るよね。

 僕たちはまた戦場に行こうとしてるわけだし、少しでも長く生き残るのならここに残った方がいいのかも。それに今なら自力で森を抜けるのも難しくはない。


「ん? なんで自分達だけで逃げないんだ? 今なら森を抜ける位簡単だぞ」


 その方法があるじゃん。サン・ジェルクにだって、時間をかければ帰れるだろ。あまりにも原始的だから忘れてたよ。

 だけどサン・ジェルクの僧兵達は首を振るよ。


「それは出来ない。バトルシップを置いては行けない。これはサン・ジェルクの技術の結晶だ。それがもし、他国に……いやリア・レーゼに渡るものなら……」

「お、お前等! そんな風に考えてたのか!? やっぱりサン・ジェルクの奴らなんて信用できない!」


 サン・ジェルク側の言葉を聞いて憤慨する僧兵さん。僕からみればどっちもどっちだよ。歩み寄ってなんか居ないんだ。


「気分が悪い。こんな奴らほっといて行きましょう!」


 そう言って僧兵さん二人は台座へと戻り出す。するとそんな様子を見たサン・ジェルクの何人かが我慢も限界みたいにこう言いだした。


「それはこっちの台詞だ! リア・レーゼの奴らは神をすげ替えられて信じる者を見失った哀れな奴らとは本当だな! シスカ教のもっとも大事な教え忘れたか!

 同じモブリとして恥ずかしいわ!!」

「神の名を語れば、偉いとか思ってるお前達なんかに言われたくない! 都合の良い解釈を押しつけられてるだけだって気付よ!

 リア・レーゼは権力の縛りから解放されて神をあがめてるんだ! それを行ったローレ様を侮辱するような発言は許さない!!」


 おいおい、なんだか火花が散ってるぞ。どっちも信じる物があるからこそぶつかるんだろうけど……今はそんな場合じゃないだろ。

 僕は必死に二人の僧兵さんを押さえるよ。流石にサン・ジェルク側は押さえきれないからね。するとテッケンさんがトコトコと間に入ってきて、デカいナックルを装備した拳を地面に叩きつけた。


「やめないか! 両方とも……こんな所でいがみ合ってる場合じゃないよ。その位分かるだろう!」


 テッケンさんの言葉が雨の中に響く。どっちもその勢いに気圧されて止まるよ。


「これはもうリア・レーゼだけの問題でも、サン・ジェルクだけの問題でもない。リア・レーゼが落ちれば次はきっとサン・ジェルクだよ。一つの国が……種族が、中でお互いにバラバラに成ってたんじゃ聖獣に勝てるわけ無い! 

 もっとお互いに大きく状況を見るんだ。世界樹は世界の根幹だ。それを奴らがどうしようとしてるのかは知らないけど、渡せばきっとろくな事には成らない。リア・レーゼが世界樹を守護し、その力を滞り無く世界へ流してたからこそ、この世界はこんなに綺麗なんだ。

 それが出来なくなったら……どうなるか想像くらい出来る筈だよ!」


 テッケンさんの熱弁。まさかそんな重要な事をリア・レーゼはやってたんだね。リア・レーゼがというか、星読みの御子が……かな。つまりはローレだけど。

 だからこそアイツは、あそこにずっと居るとか……大変だったんだな。


「街と街同士はまだ無理かも知れない。だけど今、ここで僕たちが手を取り合う事は出来るはずだ。それは小さな事かも知れないけど……それで何かが変わるかも知れない。

 お互いに不満はあるだろう。だけどそれは押し込めて、お互いの為に手を取り合う時だ」


 激しい雨が僕たちを打ちつける。雨の音は激しいけど、モブリ達は静まりかえる。心に響く良い言葉だったと思う。

 後は、どうお互いが受け取るか……だ。すると僕が押さえる方の一人が「貴方がそこまで言うのなら……」とボソっと聞こえた。

 だけど次の瞬間激しい怒鳴り声でこう続けたよ。


「そこのガラクタの修理はしてやるよ! だけどこっちにも協力しろよ! それが条件だ! 直した後は縛る物が何もないけど、今のテッケンさんの言葉を受け取ったお前達を信じてやる!!」


 う~ん言い方は残念だけど、これはこれで進歩かな。問題はこれを聞いてサン・ジェルク側の僧兵達がどう言うか。すると一斉に腕を空に掲げてこう叫ぶ。


「「「我らは慈悲と慈愛をもっとも尊び、それを捨ては決してしない!!」」」


 そう言って僧兵達は一斉に修理に戻った。そしてリーダー格の僧兵が一人残って僕たちに「協力を感謝します」と頭を下げてくれたよ。

 だけどそれを見て、こっちの僧兵さん達は、手を差し出した。驚いたような顔のサン・ジェルク側の僧兵。だけど直ぐにその手を繋いでくれた。一応の協力関係が成立したってことで良いんだよな。


「流石テッケンさんです」

「いいや、僕は何もしてないよ。ただ彼らは誰も冷たい人間じゃないってだけだ」


 格好良いことをサラッと言うね相変わらず。ホント惚れちゃうよ。



 テキパキと作業を進めるサン・ジェルク側の僧兵達。みんな手際良いよ。だけどどうやらやっぱりバトルシップは機密情報の塊らしくて、手伝おうとしたリア・レーゼ側の僧兵さん達を断って揉めてた。

 まあ今はそれも収まって、しょうがないからこっちの飛空挺で出来ることをやることに。どうやらバトルシップは自身で最初のエネルギー生成が出来ないらしい。

 動力炉事態は積んでるけど、始めに動かすには普通の船の助けが居るらしい。動力炉を刺激して活性化するとかなんとか……難しい話は分かりません。

 とにかく、だからこっちの船の動力炉とバトルシップの機体の専用部分を繋ぐ作業に勤しんでます。サン・ジェルクの戦闘用飛空挺はその設備を整えてるらしいけど、これはリア・レーゼの船だから、急遽対応だよ。

 正直上手くいくかは分からないらしい。だけど上手くいって貰わないと困る。バトルシップ……それは大きな戦力に……ん? 待てよ。僕の思考に何かが浮かび上がった様な……僕はテッケンさんを捕まえてこんな事を聞く。


「テッケンさん、このバトルシップも治ったら一緒にリア・レーゼに行かせるんですよね?」

「まあそれは約束だからね。スオウ君は治ったら彼らが『はい、さよなら』と去ることを心配してるんだろうけど、大丈夫、彼らの瞳に曇りはないよ。僕を信じてくれ」

「いや……」


 まあそれも心配してない訳じゃない。だってバトルシップが動くように成れば、戦力は逆転だ。数十人のモブリ位なら、僕とテッケンさんでどうにか出来る。

 だけどバトルシップまでは無理だ。飛空挺とは大きく性能も違うしな。心配しちゃうよ。

 でも今はそれよりも、頭に沸いて出てきた事が重要。そう言えば最初にこのバトルシップが「動くのか?」って聞いたときとの感覚に近いかも。

 なんだか不意に、こんな事を思ったみたいな。


「それはまあ、テッケンさんを信じるんですけど、なんだかこのバトルシップが動くのなら……もっと別の有効な手段があるんじゃないかな?」

「有効な手段?」


 僕は考え込むよ。考えろ……何か引っかかる。そしてこんな事を思う理由を考えるんだ。バトルシップは大きな戦力になる……これは確実。リア・レーゼにもきっと更に早くつけるだろう。

 でもそれはバトルシップで単独疾走したら……バトルシップの最大の武器はなんだ? それはこの自由の翼だ。どんな空でも自由に、そしてどんな鳥よりも颯爽と駆ける事が出来る。

 バトルシップの力を出すには従来の飛空挺が居る戦場は向いてない。足も遅いし、自由に動けないしで、足手まといだよな。


「テッケンさん……このまま僕たちが数十人増えて、聖獣とモンスターが犇めく戦局を変えられると思いますか?」

「それは……やってみないと分からない事だよ。出来るかも知れない。そう思えるのはスオウ君の力が未知数だからだよ」

「ありがとうございます……でも、僕にはこれで足りるとは思えません。聖獣は強い。そして奴らが従えるモンスターは強力です」


 それは僕たちが一番知ってる。なんてたって一足先に戦ったんだから。


「だけど諦める訳には行かないよ。みんなやる気になってくれてる。リア・レーゼとサン・ジェルクがようやく手を結ぶんだ」

「リア・レーゼと……サン・ジェルク、それならもっと大きく手を組めませんか? こんなちっちゃな中隊クラスじゃなく、どうせなら本格的にサン・ジェルクを動かせないでしょうか?」

「な……なにを言ってるんだい? それは流石に無理だよ」


 テッケンさんは唖然としてる。僕は結構本気なんだけどな。それにテッケンさんだって二つの街が手を取るときだって言ってたじゃん。


「それはそうだけど……サン・ジェルク自体を動かすのは彼ら数十人を説得するのとは訳が違うよ。それは元老院を動かす事だ。

 それが出来ないと、サン・ジェルクは決して動かない」


 まあ、それはそうだろうな。あの街は元老院によって支配されてるんだ。


「だけど……このまま行っても、きっと僕らは勝てない。ローレ達はきっと粘ってくれてる……なら、最大級の味方を連れて行ってやりたい!

 小さな戦力で少しだけ持ち直したとしても、それじゃ何も救えない!!」


 僕は声を荒げてそう言ってしまった。周りの僧兵達の視線がこちらに向くよ。だけど僕は気にしない。むしろ一番近い奴に僕は聞く。


「おい、そのバトルシップなら一体どのくらいでサン・ジェルクへ飛べる?」

「え? ええっと……七~八分位かな? 全力で飛ばせば」


 かなり早いな。確か普通の飛空挺で十五分位かかってなかったっけ? 単純に二倍は速い。でも戦闘中のその数分間は長い。

 行きと帰りを合わせて十五分位はかかるし向こうでやる事を入れれば三十分は必要かもしれない。


「スオウ君! 何をする気だい!?」


 テッケンさんが詰め寄るようにそう言うよ。何をする……そんなの……


「何をするか……すれば良いか……それを今考えてます!」

「無茶苦茶だよ!? 冷静になって考えるんだ、今リア・レーゼに飛ばないと間に合わないかも知れないんだ! 手遅れになるんだよ!!」


 僕は必死にそう告げるテッケンさんの肩を強く掴む。そして目の前でこう言うよ。


「僕は冷静ですよテッケンさん! テッケンさんこそもっと状況を見てください。僕たちはボロボロなんです!! そんな兵隊が数十人増えて、一体何ができるんですか!? 一端は良いかも知れない。だけど、押し返すなんて出来ない!! 僕たちが今、ここで突っ走って行っても勝てない。それに気付いたんです。

 一時的に状況を好転させる程度の戦力じゃ足りない。それじゃあみんなをぬか喜びさせるだけです!!」


 僕の言葉に、テッケンさんは体を震わせてる。こんな責める様に言う必要なんてないのかも知れない。だけど……分かってほしい。

 僕たちは今、崖っぷちなんだ。ここで選択を間違えたら、もう取り戻しようがない。今僕たちには新たな可能性がある。それはテッケンさんのおかげで生まれた可能性だ。

 バトルシップと飛空挺……これがあるから、他の道が僅かだけど見えるんだ。


「だけど……もしも間に合わなかったら……みんなも……クリエ様だって……死んでしまうかも知れないんだよ」

「信じてます!! 僕達の仲間はそんな柔じゃない! そうでしょう!? ローレだって、アイツはムカつくけど凄い奴だってのは分かります。セラだってシルクちゃんだって、鍛冶屋もノウイも! クリエだって……そんなヤワじゃない!!

 みんなきっと全力で戦ってます。だからこそ、僕たちも全力で出来ることを! 賭けれる可能性を試すんです!」

「もしも……賭に負けたらどうするんだい……」


 僕はテッケンさんを離して、上を見る。曇天の空を見上げて一回落ちつかせて、再び彼を見て笑ってこう言うよ。


「負ける事なんか考えません。必ず勝つ!! それだけです」


 そう言うと、彼はなんだかヨロヨロとよろめいてポチャンと地面に尻餅つく。そして俯きながら乾いた笑いを上げてるよ。

 えっと……大丈夫?


「なんで君は……この場面でそう言う風に笑えるんだろうね……変に怒鳴られるより、そうやって笑われると、なんだか出来るような気がするよ。何の根拠もないけど……」


 最後の言葉は余計です。僕は尻餅ついたテッケンさんに手を差し伸べる。


「それが、心を動かされたって事でしょう?」


 彼は僕の手を取るよ。そしてチョコンと立ち上がる。


「そうだね。だけどそれは自分で言う事じゃないな」


 そう言ってテッケンさんも笑ってくれる。よかった、やっぱりテッケンさんは僕がもっとも頼れる人だ。激しい雨の中、僕たちの心はこの雨に沈まされはしない。

 まだまだ前を向いて行く。そんな思いが繋いだ手で共有出来る。まあなんだか周りは完全に置いてけぼりみたいだけど……これから一緒に考えれば良いよね。

 みんなとは一時的とはいえ、一緒に戦う仲間なんだから。



「「ええ!? ちょっと待ってください、それってどういう???」」


 まあ予想通りの反応だね。サン・ジェルク、リア・レーゼ双方の頭にハテナが一杯だ。今僕たちはバトルシップ側の一室に居る。まあ会議室みたいな場所だね。そこに双方代表者を立ててこれからの方針を話すんだ。

 まあ代表者を出すのは数が多いサン・ジェルク側だけだけどね。こっちのメンバーは固定だもん。


「それじゃあリア・レーゼには向かわないと? そう言う事か?」


 リア・レーゼ側はちょっと怒った感じになってるな。逆にサン・ジェルク側はちょっとホッとしてる感じか。


「いや、そう言う事じゃない。リア・レーゼを見捨てたりはしない。ただ、このまま行って僕たちにどれだけの事が出来るのかって事だ……この人数が戦闘に加わって、それで戦局を逆転出来ると思うか?」

「それは……いや、そもそも本当に聖獣に襲われてるかどうかなんて……」


 ありもしない希望にまだしがみついてるか。まあ僧兵さん達には、重要な事言ってないし、それはしょうがないけど、そろそろ現実をみよう。

 サナの言葉だけじゃない。今この場に居るだけで、それは確定してるみたいな物だろ。いろんな要素がそれを示してるんだから。


「襲われてるよ。間違いない。二人とももうわかってる筈だ。認めたくないだけ」

「そ……そんなの当然じゃないか! だって……だってもしも本当にそうだとしたら……僕たちの故郷が無くなるかも知れないんだぞ! そんなの……簡単に考えられる訳がないじゃないか!!」


 僧兵さんは力一杯にそう言うよ。確かにそうだね。


「だけど……目を逸らしたって現実は変わらない。僕だってリア・レーゼには仲間が居るんだ。どうしたら救えるのか……それを本気で考えてる」

「それなら、今直ぐにでも……これだけの戦力でも行くべきだろ! 間に合わなかったらどうするんだ!」


 また……いや、結局はそこに行くよね。もしも余計な事をしていて間に合わなかったら……そこには後悔しか残らないのかも知れない。

 でも……


「そんなの百も承知だ。だけど戦局を覆せない戦力で行ってどうなるんだ? 流石にみんなに無駄死にしろとはいえないだろ。

 僕たちが考えてやらないといけないんだよ。どうやったらリア・レーゼを救えるか……聖獣に勝てるか」


 ローレ達はきっと持ちこたえるのに必死だろう。それなら、僕たちしかいない。今、リア・レーゼの状況を知ってて自由に動くことが出来るのは僕たちだけなんだ。

 僧兵さん達もわかってくれたのか、一応椅子にまた座ってくれた。悔しそうな顔してるけどね。会議室の机上には僕たちの現在地と、リア・レーゼ、サン・ジェルクまでを網羅した大きな地図が立体的に現れてるよ。


「どうするか……は、考えてないって言ってたけど、スオウ君はサン・ジェルクを動かせたら、そう思ってるんだよね?」

「そうですね。距離的にもサン・ジェルクが限界だと思うし、大量の飛空挺を保持してるのとか、そこら辺でしょう?」

「まあ、そうなるね。だけど……」


 そう呟いてテッケンさんはサン・ジェルク側の僧兵達をみる。


「問題はどうやってサン・ジェルクを動かすか……だよ。何か良い意見は無いのかな? 聖院に属する僧兵として?」

「それは……残念だが我らではどうにも出来ない事だ。聖院は元老院の管理下だからな。勝手に兵が動く訳がない」


 まあ、その返事はわかりきってた事だ。元老院だからな。


「お前達はさ、元老院の為に僧兵やってるのか?」


 僕は気になった事を聞いてみるよ。


「そうじゃない。我らはサン・ジェルクの為を思い。そしてシスカ教の教えに従って、心身を鍛えてるのだ。だが、元老院の方々はシスカ教の位の高い方々だ。

 それに従うのは当然だろう。我らは女神の教えの元に集ってるんだ。神に近い立場は憧れなのだ」


 別に憧れとかそんなのどうでも……ん? 待てよ。


「おい、じゃあ教皇ってどんな立場なんだ? 居るだろ。ノエインが?」


 飾りとか本人は言ってたけど、そこら辺はどうなんだよ。すると僧兵は身を乗り出してなんだかテンション高めになる。


「教皇も憧れだよ! 元老院はそれなりの血筋というか、血統で成れる人も決まってるけど、教皇は民の支持で選ばれるんだ。

 こんな事を言うのはなんだけど、僧兵はいつか教皇に成れる事を夢みてたりするよ!」

「へぇ~そうなんだ」


 教皇投票性なの? まあ元老院の奴らにとっては支持を得る為の道具とかって言ってたしな。んっ! 待てよ。


「おい、それなら単純な支持なら教皇の方がデカいんじゃないか?」

「それは……そうかもしれない。元老院は表には出ないしな」


 なるほど、民衆の支持が高い……そしてそれを無視できないから、教皇を傀儡としてる。その仕組みを逆手に取れば、一度くらい押し切れるかも知れない。

 僕は椅子から降りて、こう言うよ。


「聞いてくれ。作戦は決まった。意見はあるだろうけど、これしかないと思う!!」


 僕は自分の考えを伝える。そして動き出そう、勝利へと向かって。諦めない限り、悪あがきを続けるんだ!

 第三百六十二話です。

 まさか、ここでもう一度サン・ジェルクへのフラグが立つとは! 教皇もまさか活躍の場が!? 実際数日前までは考えて無かったけど、思ったんです。

「あれ? 聖獣軍団超強くね?」

 って(笑) それに二つの街の確執も気になる所ですしね。どうにかこうにか出来ないかって事がこれでなんとか出来る……かはわからないけど、きっかけ位には出来るでしょう。

 まあどうするかは全然言ってないけど、スオウを信じようじゃないですか。

 てな訳で次回は金曜日に上げます。ではでは。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ