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これでいいのかはよくわかんない。でも今の私にできる精いっぱいではある。出力側のわっかをできる限り大きくして、私はメーモスの杖を掲げて、ゆっくりとその大きくなったわっかを重なるように落ちてる。今のうちになんとかこの私が持ってるメーモスの杖本体のわっか部分を通してくれれば、ローレの攻撃も出力側のわっかを通ることができる。
もしかしたらローレが考えてたこととは違うかもしれない。でも……私にできる精いっぱいはこれなんだ。私の頭ではこれしか思い浮かばかった。だから文句は受付……
カシャン
「うわっ!?」
静謐な音が聞こえた。いやその文字があってるのかはよくわかんないよ。でもね。この戦いのさなか、その音はやけにはっきりと聞こえたんだ。そんなに大きな音じゃなかった。でも、この耳に確実に聞こえて、そしてきれいだった。そしてそれはこっちに向かってくる。
それは……花びらの集団? みたいな? それが大きく立ち上って私が掲げてるメーモスの杖へと流れるように、踊るように動いてやってきた。そしてうまく入れる量だけになってどんどんとメーモスの杖の中心のわっかに入っていく。
その時入りきれずに周囲に舞う花びらも当然ある。するとふわっと花の香が香るんだ。柔軟剤の花の香みたいな、そんなきつく濃すぎるなんてことはなく、息を吸った時だけに鼻孔をくすぐるけどその時には確実にかぐわうような、そんなちょうどいい優しい匂いだ。
入ってく間中、花弁は私の周囲にも舞ってくるわけで……
「はむ!」
私は何とはなく、その花びらを口に含んでみた。すると私のマントというか? きっとローレの召喚獣の一部なのかのそれが「ひょっ!?」――と動いたような気がした。まさか私がそんなことをするなんて思わなかったんだろう。当然だね。私も普段は花びらなんて食べようなんて思わないよ。
でもこれだけいい匂いがするのなら……「どんな味がするんだろう?」――と思うのは当然じゃないだろうか? だから思わずね。思わずパクッと行っちゃった。私は口をもぐもぐ動かす。でもに匂いはしても触感は一瞬だった。どうやら消えた? みたい。満足感はなかった。残念。きっと食べるのは想定してないのだろう。
「馬鹿なことをしてないでそのままでいなさい」
そんな声が聞こえてきた。ローレの声だ。私はちょっと恥ずかしくなってしまったよ。見られてたか……




