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私の様子なんてこの召喚獣は何も見えてないらしい。絶対にこいつも動きづらいと思うのに、強引にこのフィンリルのやつうごきつづけてる。しかも左右に振るうようにだよ? いやがらせか? いや、わかってるよ。なにせ妖精王の攻撃は激しい。光が縦横無尽に襲い掛かってくる攻撃だ。
だからこそ、余裕をもって動く……なんてやってる場合じゃないだろう。けどさ……少しはこっちを配慮してもいいじゃん。
『よし、ここだ!』
「どこ? ってはあああああああ!?」
何が起きたのか? それはフィンリルの奴、いきなり私を投げ捨てやがった。ギリギリで妖精王の放った光がかすめていく。ひいいい!? 私飛べないんですけど!! なんでここで私を捨てたのあいつ? この場所が一体何だというのか? 位置的には妖精王よりも高くにきてる。真上……とかじゃなく、斜め上って感じだ。妖精王から見た私は70度くらいにいると思う。これってここから攻撃しろってこと?
わからない。でもこのままだとただ地面におちるだけだ。なら、やるしかないよね。フィンリルの奴は反対側に向かってる。そのおかげで私とフィンリルに攻撃が分かれてる。けど空中で動けないからね。
私はジタバタするしかできない。空中で体制を整えて、目標に向かってパンチかキックをする? このままじゃ出来そうもないよ? このまま体当たりが正解? いやいや、それでどうなる? どうにもならないよ。そもそもこのままじゃ届かないかもだし? いや月は重力が軽いらしいから案外いける?
でも今は投げられた勢い+変な動き――のおかげでなんかしらんけど、避けれてる。でもスピードが落ちていくとそうもいかないだろう。体当たりなんてそんなのは非現実的だ。
その前に妖精王の攻撃で私は死ぬだろう。それはそれはこの戦場から抜けれるからいいには良いんだけど……格好悪く死にたくはない。そしてこのままだと私は格好悪く死にそうだ。
せっかくかなり活躍してるのに……このままじゃ私の名声が……するとその時だ。私の周囲にキラキラとした光が舞う。
「まずい!?」
それを私は妖精王の光だと思った。けどどうやら違うようだ。
『安心してください。貴方はただ、わっかをつなげてください。そしてできればそれを大きくしてください』
そんな言葉が頭に響く。そっか……これはきっとローレの召喚獣か。光が私に集まっていく。そしてキラキラとしたマントのようになってくれた。
「おおぉぉぉぉぉ!? 格好いい!!」
私はめっちゃ長いマフラーのようなマントになってるそれをバサァ! とやってみる。うん、最高だ。




