145
私は思い込むのが得意だ。私は自分の世界に引っ込むのが得意で、自分の世界を作るのも得意だ。そうやって自分の中、自分の内の世界に引きこもってきたといっていい。
だって誰も私にはついてこれないんだから。仲良くなっても、最初はよくても、いつの間にか「メカブちゃん変ー!」――っていって離れていくのだ。そんなことがなんどあっただろう?
そのうち私は自分で友達を作るようなことはしなくなった。そしてそれが正解だったんだって私はわかってる。だって今の時代、周囲とは歩いていける、眼の前で触れられる人たちを指し示すだけじゃない。
今はインターネットで世界中に繋がれるのだ。そこら手近で友達何かを作らなくても、波長が合うような、そんな存在はネット上でたくさんいる。私の呟きをみて、メッセージをくれる波長の合った人だけ、その意味がわかる、伝わる人だけと交流していけばいいと気づくのは自然の摂理だったろう。
同じような人たちと世界を呪い、社会の不満を口にしては自分の中の世界に「いいね」をもらう。なんとも甘く官能的な世界だろう。そうやって私の中二病は病んでいったといっていい。
外の言葉はシャットアウトして、同調してくれる声だけを聞く。そこに否定の雑音なんていらない。そう私は常に世界を妄想して過ごしてる。だからこそ……だからこんな妄想なんて!!
「こんなの! 痛くも怖くもなぁぁぁぁぁい!!」
「ほう……」
そんな風にまた私を妖精王はみる。その瞳が興味深げに私の攻撃を避けつつ射抜いてくる。きっとその目……多分あれが特殊なんだ。ドキンドキンと私の心臓が高鳴ってる。
あの超絶イケメンに見られること……それに胸が高鳴ってるとおもってた。私もなまじなりにも女だ。イケメンは好きだからね。いつだって王子様がやってくるのを待ってたりする。それが妖精王のような超絶なイケメンなら文句なんてないだろう。
だからこの胸の高鳴りは私の男性への耐性の無さ……と思ってた。でもきっと違う。あの目……あの顔……いやあの存在そのものかもしれない。それこそが、幻覚に惑わす導入に鳴ってるんだとしたら? 匂いももちろんあると思う。あの透明なきれいな羽からもそういう分泌物がでてる可能性もある。
でも妖精王はその存在そのものでも、幻覚をかけてるとおもう。でももうかからないよ。だって私は、私の都合の良い幻覚をずっと見てるんだから!!




