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「やるな」
そんな風にちょっと楽しそうに笑う妖精王。こっちはようやくで、そして渾身だったのに、その笑顔は何よ!?
「もっと痛そうなかおしなさいよ!」
私は一発で終わらせるきはない。近くの輪っかに向かって最初に入れた手を引き戻して今度は反対側を突き出す。更にはタンッとジャンプして脚もつっこむ。私はリアルではこんな動きそうそうしない。
だって何が? とは言わないけど、邪魔だからね。皆私の巨乳を羨ましいとかいうが、こんなのはただ日常生活を送るうえではとても邪魔で仕方ないだけのものだ。男にはそこばっかり見られるし、女どもは気軽に触って来たりする。
それが友達的に「羨ましいー」ならまだ鼻高々になれるだろう。けど私には友達とかいう魂を分かち合うような共鳴者はいない。リアルの奴らは大体は敵だ。だから学校でそうやって無遠慮に私の胸を揉みしだくような女子たちは恨みを持って私の胸をもんでくる。
そいつら全員顔は良くても貧乳だから私のおっぱいを吸い取りたいんだろう。哀れな奴らだ。
痛いくらいに揉んできて、私のおっぱいをもぎ取りたいってのがよくわかる。そんな事やっても無駄なのに。だから私は「枯れ木」と呟いたりする。だって彼女たちはいつも過度なダイエットをしてるから、枯れ木のように細いんだ。
そんなダイエットしてたら大きくなりようもないってものじゃない。栄養があるから育つんだよ。
まあ今はそんなのは関係ないか。つまりは跳び蹴りとか私のこの巨乳ではとてもできるはずもないんだけど、LROではそれができる。激しく動くとそれだけ胸も動いてとても厄介。
リアルならその胸の動きに翻弄されてしまう。けどここならば、それに耐えられる体幹を手に入れている。だからできる。私の蹴りによってズガーン!! ――と妖精王がついに、地面に落ちてきた。
そのいけ好かないイケメン顔を苦痛に歪めてくれたらちょっとはこの溜飲も下がるというものよ! 月の砂埃が起きてる。月の砂は粒子が細かくて、さらには月の重力は地上の6分の1らしいから一回舞ったらなかなかにもとに戻らないとか聞いたことある。
この砂埃を活かして妖精王は次の動きをしてくる? そんな警戒を私とローレはしてた。でも、その心配はなさそうだ。なぜなら妖精王は砂が舞っててもその輝きでよく分かる。




