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私はもう回避することを諦めた。だって……だってだよ? そんなのが意味がない……と気づいたからだ。妖精王はただ一振り腕を振るう、僅か首を傾けてる。一節で魔法を発動する。
そう、眼の前のやつは明確にチートだ。私にこのメーモスの杖がなかったら、きっと手も足も出なかっただろう。まあそれも今やかなり対策をされてしまってる。まずメーモスの輪による部分転送はそれができる部分が変質してる。私は腕と脚をしてるから、その部分が不自然な銀色に染まってる。まるで銀メッキをしてるかのように……ね。
つまりは戦ってたら、この部分だけが迫ってくる……というのがわかる。でも体の中で他に攻撃に使える部分があるのか? といえば……ないよね。普通は攻撃に使うとなると手か脚だろう。
だからそこまで問題とは思ってない。だって普通の人には2つの手と2つの脚しかない。そうじゃないのとかそれはもう化け物じゃん。だからこれは……ね。仕方ない。妖精王の熱い視線って奴を感じるよ。
「そんなに見つめて、私のことようやく気になってきた?」
そんな風に挑発してあげる。すると「ふっ」――と妖精王が笑った。ドッキーン!! である。いやいや、別にこここここここ恋に落ちたとかじゃないし!! あのイケメンすぎる顔か行けないんだし!! 私は何も悪くない。あんな超越したような顔してたら、誰だってドッキーンってなるよ。女ならね。私はイケメンなんて嫌いだ。
だって女を見下してるから。私が認めてるイケメンは二次元のイメケンだけだ。だって二次元のイケメンは見下して来ないからだ。
でもそんな私の信条さえも覆すほどに「イケメン最高!」――と叫びたくなるほどの顔。顔面の凶器。それが妖精王である。リアルにいたらきっと雑誌とかドラマとか映画とかめっちゃでてるおもう。
だってスタイルもモデルだし? 私よりもつややかな長髪の髪してるし、更にはその肉体美も完璧と来てる。服から浮く筋肉の美。開け放たれた胸元から見える大胸筋の厚さ……大胸筋に興奮するのは男だけ? そんなのは間違いである。女は男の筋肉に興奮してるのである。
自然と女性のおっぱいに男どもの視線が吸い込まれるように、女は男の大胸筋という筋肉に自然と視線が吸い込まれる。わかるよね? だってこれは抗えられない本能。
そんな完璧で構成されてる男。それが妖精王なんだ。くっ、なんてずるいやつだ。




