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「なんであいつが?」
助かったんだろうか? どうやった? あいつのあの新たなレビリオンテープを使って作った武器でどうにかしたのか? それなら、さすがにすぐ近くにいたラオウさんだってあいつならどうにかすると思う。だってそうしないとあいつ一人にとてつもない重圧がかかることになってしまう。それをあいつは嫌がるだろう。それが容易に想像できる。
だってメカブってそういうやつじゃん? そういうやつのはずだ。僕の中では確実に……ね。面倒は誰かに押し付ける。いい所だけ持っていきたい……そういう風に考えてる奴だ。それだけ聞くと意地汚いやつだろう。そんな奴とは友達になりたくないって思うだろう。
だってそいつのそばにいたら、常に利益を狙われるわけだからね。そうなると周囲が割を食うことになる。時々で、たまたまで自分か割を食うのはたいていの人は許容するだろう。僕だってそうだ。「こんなこともあるか」や「まあまあまあ」――となる。でもそれがその人がいると毎回自分が貧乏くじを引くと考えると……そんな奴とは距離を置くだろう。
それはその人が嫌いとかじゃなく、仕方ないことだ。誰だって少なからず得したいって気持ちは絶対にあるんだし。自身の利益だけを追求するよう奴は周囲の人々が離れていって当然なのだ。気づいたら一人……なんだ。
じゃあなんでメカブはそんな最悪な性格してるのに僕たちが離れてないのか? それは簡単だ。あいつは得してないからだ。確かにあいつは面倒くさがりで他者をさげすんで自分の妄想に浸り、利益を追求する自分大好きな奴だろう。いやあいつが自分を好いてるのかは知らないけど……突出して容姿がいいってわけじゃないからな。
まあ『あるもの』……は突出してるけど。じゃあなんでそんなメカブの奴から人が離れていかないか……それはとても単純だ。あいつがアホだからだ。まあそれはちょっと悪口が過ぎたかもしれない。マイルドに言うと、あいつがうーん、やっぱアホだからなんだが、うまくいかせることができないアホだからである。
かわいげがあるといってもいい。うん、それがたぶん一番いいだろう。ちょっとポジティブに寄りすぎな気もするが、あいつにはかわいげがある。だから性格がまあ……あんなんでも人がさらない。だいたいあいつが企んでることって失敗するからな。そんな不憫な奴だとあいつと付き合ってるとわかっくるから、あいつが何か悪だくみをしたとしても周囲はただ
『またなんかやってるよ』
――という風に暖かく見守っていることができるのだ。ある意味でそれならメカブの奴と逆張りをするとご自分の望みを運ぶって選択肢もあるのかもしれない。まあやったことないけど……
そんなメカブだよ? これだけの……それこそ九割九分九厘がやられた中、あいつだけが残った? アーシアは僕が全身全霊をもって守ったからわかる。まああの時の失敗はアーシアを守ることにだけ意識を集中させすぎていて、その「後」を考えてなかった。だって一人だけあの場にアーシアが残っても……ね。
アーシアの戦闘能力は未知数ではある。多分ある程度は戦える。あの不思議な力でね。けどそれであの場に残って妖精王と戦って生き残れるか? と問われると、答えは間違いなくノーだろう。
明けましておめでとうございます。これから一年もよろしくお願いいたします。




