表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
前に進む為のyの解編
2731/2738

68

 リア・レーゼが月に占拠されたのは有名な話だろう。それとともに、今度の週末に月奪還作戦が大体的に行われる……というのはもう周知の事実だ。だって誰も隠してないからだ。


「流石に早くないか? もうちょっと療養したほうが……」


 ――と僕はいった。もちろん会長である日鞠にだ。だって日鞠は一週間程度だけど、LROに囚われてたんだ。その間病院とかにはいってない。ただしっかりとお世話はされてた。栄養だってちゃんと点滴によって補充されてた。でも……だからって万全ではなかっただろう。

 そもそもが一週間も寝てたら少しは体だって固まる。なのに……なのにこんな……もうこんなすぐに動き始めるなんて。実際LROはまだいいよ。だって実際に体を動かしてるわけじゃない。

 だから負担は少ない……少ない筈だ。実際色々な責任? とやらがのしかかってるであろうテア・レス・テレスのリーダーという立場は僕が思うほどに気楽ではないだろう。今だって会長は各国の代表たちを丸め込んで……というのは言葉が悪いか……利用して……もちょっと駄目か? ならいいように使って……も変わらないとなれば、協力を勝ち取って世界樹奪還と月の打倒にむけた動きを加速させてる。

 会長は各国の代表を集めた発起人という立場にある。だからこそ、この作戦総指揮は会長にある。それはつまりはこの戦いがうまくいかなかったら、すべての責任は会長にある――ということだ。

 最悪の結果……それが起きたときに偉い方々は会長に罪を押し付けて逃げる気まんまんである。それが透けて見える。実際一番月の打倒……というか世界樹の奪還を願ってるのはモブリのはずなのに……モブリの代表こそが発起人にならないと行けないはずなのに、何故か発起人は伏せってた会長になってる。

 目覚めてからまだ数日。はっきりいってまだ病人というか、病み上がり時期だ。僕が彼女……この意味での彼女というのは世間一般での女性……という意味ではなく、僕の女としての意味だ。彼氏彼女の彼女である。


 だから僕が苦言を呈するのは何も間違ってない。おせっかいでもない。そういう立場にちゃんと僕はいる。まあ散々本当の家族からも色々と言われてるとは……いや、本当の家族の人たちにはなんとか誤魔化したんだった。

 だから止める人がいないのか……ミスった。日鞠は家族の事はとても大切にしてる。だから親に言われたら素直に従うやつだ。そもそもこいつに反抗期……なんてのは僕の観測してる限りなかったはずだし。いつだって日鞠はいい娘だった。そのかわりに妹の反抗期はやや早くて長い気がするが……

 まあけどそれはしょうがないだろう。身内にとんでもない奴がいたら、それは反抗したくもなる。だって何したって比べられる立場だからだ。そして日鞠の奴は僕が記憶してる限り、満点以外を取ったことなんてないだろう。

 それを知ってるのはそんなにいないとは思う。どこの学校も成績が張り出されるわけじゃないしね。けど家族は知ってるだろう。別に満点なら隠す必要もないし……別に当時はまだそれがこんな所に影響を及ぼすなんて……な。さすがの日鞠もわからなかっただろう。


 けどそんな当たり前にオール5を取って来るような姉がいるんだから妹の大変さは推して知るべしである。だからって嫌ってるってわけはないけど。けど下手に隠蔽工作をしっかりやったせいで、家族がいつも通りに日鞠に100%の信頼を置いてるのなら、何も言われないわけだよ。


 それに……


「それは無理だよスオウ。だってもう夏休みも半分は超えてる。私たちは来週は父方の田舎に帰省するの知ってるでしょ?」


 確かにそんな事いってたな。まあけどLROならネット回線さえあればどこででも……いや、リーフィアって普通の電気回線というか、電気ネットワークじゃないんだった。思考間ネットワークを構築してるんだ。

 そうなると……田舎の限界集落では厳しいか……だから急いでるってのはなるほど、納得感あった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ