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「けどこっちがどうやっても……ね。向こうの侵攻の予定は変わらないでしょう」
変えられるのなら、変えた方が余裕ができる……というのはある。まあ私はさっさとこの椅子から降りたいからいくら月への侵攻を遅らせることができたとしても、せめて夏休み期間でしてほしいとは思ってる。やっぱり夏休みの方が自由がある?
学校が始まったらいろいろときっと大変になる。なにせ初めての夏休みなのに私的には学校関係……というか、生徒会関係で動くことが多い。
おかしないな? って思ってる。私がよく見てたアニメでは夏休みは何かが起きる時期である。それに青春の楽しさが詰まってる期間ともいえる。山に海への旅行……もしかしたら宇宙人との出会いとか、異世界に召喚されてひと夏の大冒険をするかもしれない。
もちろんそんなのはフィクションだ。けど私たちの生きる時代にはこのLROがある。大冒険は確かにできるのだ。なのに、予定では生徒会の仕事が結構ある。確かに家の生徒会の人たちは誰もが会長……もとい日鞠ちゃんが以前から育ててくれてたおかげで優秀だ。寧ろ私が足手まといまである。
でも思ってたよりも自由はない。けどそれでも学校がある時期と比べたら比べるべくもないのは明らかだ。だって学校があったら朝の8時から16時くらいまでは拘束されるわけだしね。私は部活をやってないが、部活をやってたらそれこそ18時? 19時とか? やったことないからわかんないけど……けど生徒会の仕事でそのくらいまで学校に残ることだってある。
ぞれを考えたら今の時期は余裕をもって生徒会の仕事に集中できるから、日々の仕事にそこまでかかるってことはない。まあ大抵は他の皆々様がなんかこまごまと進めてるから……みたいだけど。
(まあごちゃごちゃいってるけど、私はもっと夏休みをエンジョイしたいってことなんだよね)
でもどうあがいても今の所私はスオウたちと一緒に月を打倒することはできない。打倒される側だからだ。本当はもっと一緒にいたいんだけど……今の立場だとそんなこともできないし……心情的には早く打倒してほしいくらいである。
けど同時にこんな経験はあんまりできないともわかってる。私以外がこの椅子に座ってたパターンだってあるだろう。私はたまたまここに座れた。それはきっと幸運だ。おかげで姉妹たちの捜索もはかどったしね。
さらにそれを進めるためにはまだまだこの『月』を発展させないといけない。そのためにはどうした決着をつけるのがいいのか……このまま私の手をすべて離れて月が打倒されて……となると、この月がのこったとしても私はきっとこの月のウインドウを開く権限とかなくなるんじゃないかな?
だってこれって私が月の女王だからある権限だ。月が打倒されて、女王が空席になるか誰かに変わったらきっとこれはつかえなくなる。そうなるといずれ一億コストを払っても世界樹の探索は使えない。
てか実際どういう風にこの戦いが決着するのかわかんない。最終的にこの月がどうなるのかわかんないからだ。それをコントロールできれば……一番いい方法での決着……それが何か、今から考えて方がいいだろう。