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「いやいやいや、それはちょっと設定ミスってない?」
「本当ですよ。確かめて見てください。新たな項目がちゃんとありますので」
そう妖精王に言われた私は月のウインドウの階層をすすめていってその中に新たに追加されてる項目を発見した。月が発展する事に、実はこまめにこの画面は変わってる。だからこまめに確認するのが大切だ。
それはわかってるけど、私はそこまで積極的に関わってないからね。だってあまり積極的に関わると、責任が……ね。なのでそこまで私は積極的にこのウインドウについてもみてなかった。
でも……確かに妖精王がいうように更にコストを払って得られるものが増えてる。新たなタイプの月人とかも作れるようになってるね。それにもっと街を発展させるためのものとかある。
学校に大学、研究施設なんかもある。あれ? まってこれ……今まで月人って知性がまったくないなぁ……とか思ってた。月人っていってるのに、どっちかというとモンスターでしかなかった。
それなのに月人って名前はおかしくない? とおもってた。だって月人っていうなれば「月の人間」じゃないの? 月の人類……といってもいい。よしんばその見た目はいいよ。だって星が違えば姿形が違うのはしかたないだろうって思う。月人は足とかは細いが、その頭がやけにでかい。
全ては頭に集約してるのかな? って思うじゃん。まさかあの頭で脳みそがないなんて思わないよね。
でも……だ。もしかしたら月人ってこの月の発展に合わせて知性を得る設計にしてあるんではないだろうか? だからだよ? もしもこの学校とか更に上の大学とか作ったら……
(地上が不利にならない?)
そう思った。だって今の情勢的には完全に世界樹を得てるこっちに天秤は傾いてる。なにせ地上の存在には今や上限があるからだ。噴き出そうと思っても、その前に無理やり蓋を押し付ける事ができてる。それが今の地上と月の関係だ。
なのにここにきて更に月人たちに知性が宿ったら? この月の特性上、学校をつくって完成させた直後に今存在してる月人全てに「知性」が宿るんじゃないだろうか? 学習とか、そんなのきっとい必要ないよ。だってそういうシステムだもん。
そうなるとただのモンスターと思って対応してる地上のプレイヤーたちはどうなるのか? 結構やばいと思う。ここにやってくる前にその対策までできるかな?
「どうしました?」
「いや、いろいろと作れるようになってるなぁ~って」
私は顔がひきつってるかもしれない。いや、そうしないようになるべく興味なさそうにいってる……はずだ。