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命改変プログラム  作者: 上松
前に進む為のyの解編
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55

「おい! さっさと気付け!」

「俺は……」


 完全にHPがなくなるほどの攻撃だった。それは確かだ。HPバーが一気に減ったのを確かにみた。けどそいつはまだ生きてた。HPかなくなったプレイヤーは少しの猶予時間の後、自身が最後に設定してたゲートに戻るか、それか一番最寄りのゲートに戻るのかという選択肢がでる。その間体は半透明で攻撃を受けることはない。

 まあもちろん、こっちも動くなんてことはできない。それをどうにかこうにか悪用しようとしてたプレイヤーもいたようだけど、そこは未知の技術で作られたLROである。

 そんなことができようはずもなかった。せいぜい死んでる間は完全に敵とかNPCの意識からは外れるから、完全に意識外になったところで復活して不意打ちを狙うって寸法くらいしかない。

 けどそんなの誰もが思いつくことであり、HPという概念があるLROではそこまで有効ではなかった。いやスキルとかには不意打ちの威力が倍になる……とかの奴がある。もちろん陰で生きてる俺たちだってそういう系統のスキルはとってる。なにせなるべく戦闘は避けて、それが無理ならなるべく静かに素早く終わらせる……が影に生きる者たちの心情だろう。


 そうなると不意打ちの威力が上昇するのは重要だ。だいたい格下相手にしか有用ではないけど。なにせHPがあるから、それを0にしないかぎりこの世界では死を迎えさせることはできない。

 リアルならそれこそ一発ナイフで腹でも差せば大体は死ぬだろう。それが内蔵損傷なのか、出血多量なのかは重要じゃなくて、どっちにしろ死に至れる……ということが重要だ。


 そしてその時間だってLROよりもずっと短いはずだ。だからこそ誰もが刃物を持った相手を恐れる。死ぬかもしれないからだ。

 でもLROでは刃物程度ではね……なかなか殺すのは難しい。いや、一撃では……だけど。めった刺しにすればさすがに死が訪れるだろうけど……まあつまりは彼は一度確かに死にかけた。

 でも……一気に減ったHPだけど、そこはスキルのおかげで1残ったのだ。保険ってやつだ。いくら1残ったとしても、追撃されたら終わるわけだけど、そこは仲間がいるからな。注意をそっちに向けることでその間に救出して回復薬を口に突っ込んだ。


「俺、やられてたのか。あんがとリーダー」

「いや、それよりもここは方針を変えた方がいいだろうな」


 今までは逃げる事を重視してきた。だからこっちから積極的に攻撃することはなかったわけだけど……情報を持ち帰る……のが俺たちの役目なら……


「奴らと戦う」


 その選択肢もありだろう。



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