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やっぱりだけど、地図とか作ってる奴らって頭おかしい……そう思った。だって、なんであんな行ったこともない、俺たちには開放もされてないような場所の建物までちゃんとデータとしてあるんだ? おかしくない?
このモブリの代表の言葉によればあの離れた場所にある建物はとても重要で、限られた人たちしか知らないような……そんな建物らしい。きっと下からでは見えなくなってるんじゃないだろうか? だって世界樹はとても大きく、沢山の枝葉が伸びてる。それもちろんだけど、上に行くほどに大きく太く、そして沢山になっていく。
だから単純にあんな離れてる位置にあって、そして世界樹の中腹とも言えるような場所にある建物はきっと世界樹自身がが隠してしまうと思われる。どうやって一体あれを観測したのか。
世界樹はリア・レーゼの中でも地位の高い人達しかある程度の高さまでしか行けないようになってたはずだ。具体的には一般の人はそれこそリア・レーゼを一望できる展望台くらいまでしかいけなかった。そしてそこは結構低い。いや、高さ的にはかなり高い。どっちだよ……と思うかもしれないが、仕方ない。だって世界樹にとってはそこはまだまだ低い場所だけど、自分たち基準でみたら十分高いのだ。リア・レーゼの地ならそこからでも一望出来るくらいには高い。
「なるほど、ここにいくルートは?」
それに対してモブリの代表は詳細なルートを教えてくれる。けどそれに対して、会長は「ここからは?」とか「こういうのは?」と聞いて更には世界樹の外壁……つまりは用意されてる道ではなく、世界樹そのものを登って行くことは可能なのか? とかきいてた。
それに対して出来る限りモブリの代表も答えていく。曖昧なところもあるが、会長の中で世界樹と会話できる部屋までのルートを選定し終わったのだろう。紙をいくつか広げてくる。
「簡単に第五プランまで組みましたので説明しますね」
そう言って一つの白紙の紙を取る。いや、今のモブリの代表の説明の横で第五プランまで考えてのかよ。こっちはフーン……という感じて聞いてたたげなんだが……会長は一つ一つを聞きながらも更にそこから戦略を組み立ててたらしい。
俺達はその5つのプランを聞いて、更に議論を繰り広げることになる。まあ俺はあまり口は出さないけど……