表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
前に進む為のyの解編
2691/2709

28

「独占してるんじゃない! これは我らモブリが天から与えられた役目なんだ」

「でも、それを誰かと共有してはいけないとは言われてないのでは? 天は、あなたたちだけで管理せよ――といいました?」

「それは……そういう言い伝えはないけど……」

「ならば大丈夫ですよ」

「けどそれは天の言葉を勝手に書き換えることになる! それは天への冒涜だ」

「そうですか? 私はそうは思いませんよ。解釈の余地を残す……それは可能性を残しておいた……ということじゃないでしょうか?」


 なんとか説得しようと会長はしてる。モブリの代表はそれを跳ね除けようと頑張ってる。でもそれは意地だとわかってほしい。いくら意地を張ろうと今のこの現状を打ち砕くことはできない。彼……モブリの代表にとっては何もよりもその意地が大事なのかもしれない。プライドといってもいい。でもそれが今のモブリのためになるのか……考えてほしい。視野が狭いみたいだし、世界のこと……を考えることは彼には難しいだろう。でも……モブリの利益となればわかるんじゃないだろうか? だってモブリの代表はそれを最大化しようとしてきた。

 いやある意味で最大化することに固執してる。それ以外を選択すると、きっと周囲に追い落とされるか、失望されるか……そんなことがあるんだろう。でもすでに最大化は無理だ。協調しないといけない時点で、それはもう破綻してるいっていい。利益の最大化……それができるのは自分だけで、自分たちだけで解決できるときだけだ。

 それなら利益を独り占めしたった何も問題ない。誰も文句言わない。けどほかの組織が絡むとなるともう無理じゃん? むしろこれで「どうぞどうぞ、すべて持ってってください!」――というやつが現れたら、それこそ警戒すべきだと思う。まあ彼の場合は「やったーラッキー」で終わらせそうな危うさがあるが……てかそれが『当然』とおもうんだろうな。なにせモブリの代表は自身が偉いのを自然な事だと思ってる。

 そして周囲が自分にかしづくことも当然だと思ってる。ならば……だ。ならば他者から無条件で差し出されることも「当然」なのだ。モブリの中だけならいいだろう。それでも。でも……ここはモブリに忖度してくれる奴だけの場所じゃない。


「選択を残してくれるのは未来を自分たちで選べと言ってくれてるのです。だってあなたたちの未来は、あなたたちだけのもの……なんですから」

「私たちだけの……未来」


 なんか胸に来たものがあったのか? モブリはそんな風につぶやいてる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ