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命改変プログラム  作者: 上松
前に進む為のyの解編
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23

 改善案……まさかモブリの代表もそんなことをいわれるとは思ってなかったんだろう。なにせあのモブリの代表は代表をやるだけあってきっと地位が高い。サン・ジェルクでも名家といわれる家のでのきっと坊っちゃんとかであっただろうやつだと思う。

 これまでなんの苦労とかさ……してこなかったとかそんなのじゃないか? そしてそのまま高い地位についた。いや、もちろん名家には名家の苦労とかあるとは思う。でも彼は苦労よりもその恩恵を享受してる側だと思う。

 そもそもが彼は御旗であって、頭脳……ではない気がする。確かにサン・ジェルクの、今やモブリの国の代表としてここにいるが……彼からは賢さ……なんてのは感じない。今は控えめになってるが、前はそれこそ傲慢チキだったし……その地位をひけらかしてるようなやつで、エルフの代表も言ってるが、モブリの世界樹を守る立ち場だという高尚な使命を誇りに思ってたような……そんな定型的なモブリだ。


 彼はきっと偉さとか権力とかを見せつける役目の存在であって、彼事態が考えて動いてる事はあんまりないんではないだろうか? そしてそれは組織においてそこまでおかしなことじゃない。俺だって種全体のことを自分だけで決める……なんてしない。いや、本音を言うとしたくない。

 それができる立ち場に確かにいるが、そんな種全ての責任? そんなの取りたくないじゃん。だからこそ、俺は種の中でも比較的頭脳労働ができる奴らを集めて相談役……とかにしてる。

 いや、むしろこっちが相談する前にもうそいつらは方針を決めてたりする。俺も傀儡だな。このモブリの代表とそう変わらないかもしれない。でもそれを気づいてるか、気づいてないか? の違いは大きいと思う。

 俺はもちろん気づいてる。なにせ自分でそうなることを望んだからだ。けど彼は……やつはそれに気づいてるのだろうか? わからない。


「改善案?」


 思わず聞き返してる。きっとなにもわかってないって感じだ。だから会長は言うよ。


「はい。それはこれからはどうしていくか、ですね。とりあえず方針だけでも示してほしいところです」


 その会長の言葉にエルフの代表も「そうだな」――と同意してる。一応話を聞く姿勢はできるんだなって俺は思った。さっきまで直上的だったのにな。そこはただのお飾りじゃない代表ということなのだろう。

 そしてこのモブリの彼は……どうなんだろう? これまでのただ享受して、用意された椅子に座ってただけ……じゃないのなら、今からの発言が大切だってわかるはずだけど……なにせモブリは自分たちだけでは世界樹を取り返すことはできない……とそれだけはわかってるはずだから。


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