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「段階を踏むのか゚大切……みなさんそう思ってるかもしれません」
最初の出始めはそんな文言から始まった。会長がどんな作戦を提案するのか……それを俺なんかは考えてたわけだが、会長はとてもリラックスして言い出した。噛むこともない。
「段階? とは?」
「それは月に奪われた世界樹のことです」
それを会長が言った時モブリの代表の体がビクッとなった。どうやらあの偉そうだったモブリが肩身狭くなってるのは世界樹が奪われたから……みたいだ。確かに世界樹が奪われた影響はとても大きい。モブリ達は世界樹の……いやリア・レーゼの奪還を淡々と狙ってる……とはきいてる。
この世界全ての人に対して影響があった世界樹の喪失……それに対してモブリは相当の責任を感じてる。確かに今、世界樹の加護が全ての者からなくなったことで、強さが一段階かもっと下がったのは事実だ。
そうなると、月との戦いでこっちが不利になる。だからこそ、世界樹の奪還は絶対に必要なことだ。それは誰もが思ってることだろう。だからまずは世界樹を取り戻す……と思ってただろう。そういう計画だったと思う。でもどうやら会長はそうじゃないらしい。
「確かに世界樹の奪還は絶対の条件です。それがないと月を打倒するのは難しいでしょう」
「なら、早く世界樹を取り戻さないと!」
そういったのはモブリの代表だった。彼はとりあえず世界樹を奪還したい……という気持ちが溢れすぎてる感じがある。それが彼の責任になってるのだろうか? ここの代表達は別にそれを攻めてる……なんて事はない。
だからきっと彼を責めてるのは同じモブリ……なんじゃないだろうか? でも世界樹の管轄はリア・レーゼの方だったはずでは? そして彼はサン・ジェルクのモブリだった筈。まあけどモブリはモブリだけど。
「だからこそです。世界樹を取り戻して、月へと攻め込む……それは月側にバレバレです。ただ世界樹に攻め込むだけなら、月側もそれなりの対策をするはずです。けど、同時に月にも攻め込んだら?」
「それは無謀ではないですか?」
人種の代表が会長に鋭い目を向ける。けどそれも会長は涼しく受け止める。二方面作戦なんてのは戦力の分散にほかならない。けど……プレイヤーがそれなりの数参加してくれるのなら、二方面くらいの数では不利にならない……という算段が会長にはあるのかもしれない。
今、LROをやってるプレイヤーは日に日に増えてる。数百万のプレイヤーが居る。それらが全て、月との戦いに参加はしないだろうが、大多数はこの大きな戦いを逃すことはないだろう。
だってゲーム感覚なんだ。本当の戦争なら、リアルなら逃げ出すだろうけど、ゲームなら話は別だ。積極的に参加していきたいと思ってるプレイヤーはきっと少なくない。