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命改変プログラム  作者: 上松
前に進む為のyの解編
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6

 色々と拒否してた鍛冶屋だけど、最終的にはピノンちゃんに引っ張られていった。今や種族の代表となってるプレイヤーは鍛冶屋だけだ。前はそれこそローレもそしてアイリさんも種族のトップとして君臨してた。けどリセットとともにローレもアイリさんもその立場を失った。

 二人共僕を責めることはしなかった。再びその地位に着くことはできなかった……というのにだ。そもそもがだいたいLROは一期一会なのだ。何が起きるか、どんな出会いが有るのかわからない。だからこそ、LROは「自分だけの物語」を謳ってる。

 そしてそれに疑問の余地はない。本当に皆が皆、自分だけの物語を紡いでる。だからきっとこのリセット後の自分の立場にローレもアイリさんも不満はないんだろう。ローレの奴は種族のトップではなくなったが、自分のチームではトップだし、トップ5とかには入ってないが、実は知る人ぞ知るかなりの戦力を誇るチームだと認識されてる。

 アイリさんも今の立場は前のトップという立ち場より自由にアギトと楽しい事を沢山してるみたいだし、結果的には責任とかから逃れられて良かったのかもしれない。なにせやっぱりLROはゲームなのだ。でもそれなりの立ち場についちゃうと、ゲームだからって割り切れなくなる。

 特にLROなんてのはNPCには心があって、そしてリアルと変わらずに生活してる。その種のトップに立つ……というのはつまりはその下の種の人たちを全て背負うような、そんな事と同義だ。

 これが今までのゲームのように、一定の言葉しか喋らなかったり、何回だって復活するような……ただのゲーム世界の一要素、であったのなら責任感とか持つ必要はなかったのかもしれない。

 けど、LROは違う。そして大抵のプレイヤーはそこに行き着くまでに、沢山のNPCと触れてるはずだ。触れ合って、良いことも悪いことも経験してるはずだ。そうなるとただのNPC……なんて目で見れなくなる。

 だって普通に会話して、普通に友達とか恋人とか……それこそ結婚とかまでできるのである。子供は……知らないが、NPCだって誰もが幸せを求めてるのはわかってる。それは彼らも自分の人生を歩んでるということだ。

 そして上に立つということは、そんな彼ら、彼女らの為に動かないと行けないと言うこと。バランス崩しとか得られたが、それ以上にきっと責任は重かったと思われる。だから二人共きっと執着してなかったんだと思われる。


 でもそんなトップにいつの間にか鍛冶屋が立ってた。一体何が? と思ったけど、どうやら鍛冶屋たちの種は単純に鍛冶の能力でトップを決めるみたい。なので一番鍛冶師としての能力が高かった鍛冶屋がトップにたった……ということらしい。


 いやいや、その選出方法、絶対に問題有るだろう! と思う。だって鍛冶の能力と国を、種を導く能力って別物だと思うからだ。鍛冶屋だって自分がそんな質じゃないとわかってる。

 だからずっとイヤイヤやってるんだろう。

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