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命改変プログラム  作者: 上松
前に進む為のyの解編
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3

「えっと……はい、それで。あのえっと、これはどういうことなのかな? 私聞いてないけど?」

「すみません新生徒会長」


 ある日の生徒会室……そこをちょっと覗いたらなんかとても慌ただしかった。しかも人もそれなりにいる。てか運動部よりも下手したら人がいるかも知れない。流石にサッカーとか野球とか? そんな部活ほどじゃないと思うが……二桁に届きそうな人たちが生徒会室には詰め寄ってた。

 そんな生徒会室を僕はこっそりとちょっとだけ開けて見てた。今回はただ日鞠についてきただけだ。僕は一応生徒会役員……とみなされてるようだが、僕はほぼ雑務を振られる役割であって、必要なときにしか呼ばれないような……うん、きっと生徒会役員の名簿にはないだろう。

 そもそも生徒会メンバーの中にも入ってなかったと思う。きっと補欠とか欠番とか……外部協力者とか……そんなのだろう。そもそも夏休み始まって一回も僕はよばれてない。普通に生徒会メンバーなら、そんなことはないだろう。

 それがさみしいか? と言ったら、全く持ってそんなことはない。日鞠とか摂理とか……知ってるやつが頑張ってるのなら、ある程度手伝ったりするのは問題ない。友達として、くらいなら動く気持ちはある。

 

 けど当然だけど、こき使われるのは嫌だろう。そんなのが好きなのはMっ気が強いやつだけだ。だから僕の存在を忘れていてくれるのはとてもありがたい。なのでこうやって今も、みなさんが僕を思い出さないように草葉の陰で見守ってるのだ。


「会長これは……」「会長! 問題が起こってるんですがどうしたら」「会長、あの方とアポイントメントがえっと……」


 むむむ、今日は久々に日鞠こと前生徒会長様が顔を出した。そのせいで実は今の新生徒会長である摂理よりも皆が前生徒会長である日鞠に寄ってるのだ。いや、頼ってる……といったほうが正しいだろう。もちろん日鞠はそこら辺敏感なやつだ。ちゃんと今の生徒会長である摂理を立てようとしてる。


「もうみんな、私は生徒会長じゃないよ」


 けど皆やっぱり自然と日鞠と摂理なら日鞠を頼ってしまう。そもそもがそんなに生徒会メンバーは入れ替わってないからね。3年生は既に引退してるが、一年のときから日鞠は生徒会長をやってるのだ。

 その時からいたメンバーは多い。日鞠の事を知らないメンバーなんて新一年生の生徒会員くらいだろう。そんな一年生だって日鞠の評判くらいはきっと聞いたこと有るはずだ。

 摂理のその見た目……には圧倒されただろうが、仕事面では……ね。ひっくり返っても日鞠に勝てる所なんてないだろう。


 でも……


「えっと、私も頑張ります! だから気にしてないで。日鞠ちゃん、私にも教えて」


 今日の摂理はなんか違った。今までは「しょうがない」とか「やっぱりね」とか……そんな事を思って前に出ようとする事はしなかっただろう。そもそも厄介な仕事なんて実はあんまりしたくない……という感じだったと思う。

 だからこそ、生徒会員たちも、摂理には最低限の……それこそ大概的な所でその見た目の良さ……を使うようにしてたんだと思う。けどなんかここ数日は摂理は意識が変わったようだ。

 今の摂理はちゃんと、生徒会長になろうとしてる。そしてそれを周りに認めてもらおうとしてた。

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