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状況を整理しよう。日鞠は目覚めた。そして今は夏休みでリアルでは日鞠は生徒会長を引退してる。その上になってるが……今は僕の学校生徒会長は摂理になってる。
そんな摂理は学校では生徒会長やりつつ、LROでは月の女王という立場にたって、この騒動の中心にいる。その裏の黒幕に妖精王がいるが……今や摂理も覚悟を決めて女王をやることにしたようだ。
そしてLRO内では月の復活とそして星の従属化によって、地上の富が月に吸われるようになってしまってる。それが何を意味するのか……すぐには誰もわかってなかった。
けど徐々にその影響は顕著に表れて来たのだ。それは天上の抑えと言えるものだった。どういうことか? それは全てのステータス、スキル、魔法……その天上を抑えるということだ。
今まではそこに制限はなかった。いや、制限はあったかもしれないが、誰もその制限に到達なんてしてなかっただけなのかもだけど、今や天上には月があるのだ。
だから月によって、地上にいる全てが押さえつけられてる。ある程度のステータス……ある程度のスキルしか使えなくなってて、ある程度の魔法しか使えない。それに威力も何もかもが押さえつけられてる状態になった。
まるで昔の……はるか昔の国の様に、国民に教育なんて施さなくて、バカのままでいさせて自分たちの安寧をはかるような……そこまでではないが、上限を持たされて文句を言わないやつなんていない。
それこそ今まではそんなのはなくて、努力と工夫……さらにいとう自身の冒険で思いもよらない何か……を得ることができたのがLROだ。
偶然の出会いまでをも奪うなんて事は月も出来ないが、上限を抑え込むことで、地上を隷属化してるこの現状をプレイヤーが黙ってるわけはない。
プレイヤーだけじゃなく、各国だってそうだ。いきなりの立場の押し付け……そんなのは勿論納得なんて出来ないだろう
だから今、LROでは『打倒月!!』が合言葉になってる。そんな雰囲気が高まってる。そしてリアルでは、色々とある夏関連のイベントが始まろうとしてた。