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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2639 前に進むためのXの問い編 1023

「ただそのまま私が帰っても、月の侵攻……いいえ、月との対決はなにも変わりはしないわよね?」


 眼の前の日鞠……改会長がそう言ってきた。あの場所……当夜さんがいたあの空間から僕達はコードがあふれる変な場所にいる。場所とも言えないかもしれない。コードの海……そんな風に表現するほうがきっと正しい。

 僕達はLROでは存在をコードで定義して、その姿を形作ってたわけだ。言う馴れば僕達はLROでは皆がコードというわけだ。でもそんな状態を観測するなんて事はできない。普通はね。僕達は有る意味、今は二次元の空間にいる……といえるかもしれない。

 全オタクの夢……二次元に入る!! という事を僕は叶えてしまってるのかもしれない。まあけど……


(ここには美少女はいないけど……)


 憧れのアニメの中の美少女はここにはいない。ここにあるのはただの無機質な文字列だけだ。それが溢れて……そして泡となって消えていく。深淵には永遠の文字が眠り……流れ繋がって天上で世界を創造してる。そんな場所だ。


 来た道を通って戻ることも出来ただろう。けど……会長はここに僕を誘った。それには何か……意味があるんだろう。


「月と地上のバトルはそういうシナリオ……じゃないのか? そしてそれを起こしたセツリはその中心。ある意味主役の位置だ」


 もしかしたら悲劇の主役の位置なのかもしれないが……でもLROがゲームなんだから、こんなどでかいシナリオを掘り起こして、その中心にいられるって本来ならとても喜ばしいことだろう。だってたくさんの人がLROをプレイしてるわけだけど、誰一人として同じ様なシナリオを辿ってることはない。

 それぞれの物語をLROはプレイヤーに与えてる。それが一人ひとりにとってかけがえのないものだとしても、世界全体に影響を及ぼすようなシナリオの中心にいるって本来ならそれこそ漫画や映画の主役にでもならない限り起き得ないことで……LROでもそうそう起きることじゃない。

 だから楽しめばそれでいい。実際、月と地上のバトルの後にその中心にいた人物がどうなるのか? はよくわかんないが……多分妖精王という存在が設定されてるから、ある程度のところで、実は真の黒幕は妖精王……ということにするんじゃないのか? だから最後は妖精王を討伐してチャンチャン……という結末がこの月と地上のバトルの決着点になるのではないか? と予想はしてる。

 だってプレイヤーはこれからもLROを続けていくわけで、全プレイヤーにわだかまりを残すとそのプレイヤーがLROを続けづらくなる。だからやっぱり一番悪い役……というのを世界は用意してると思う。それが妖精王。それはきっと会長も気づいてる。


「私は妖精王と取引をしてるんだよ。それは誰も傷つかない結末の約束だよ」


 そう言ってくる会長。その取引……それは一体? 傷つかない? こいつはまさか、世界が想定してたシナリオ……それを丸ごと覆そうとしてない? だってこいつはそんなやつだし……

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