2636 前に進むためのXの問い編 1020
足元に現れる蝶の羽の様な文様……なにかまずい予感がする。
「みんなその場から離れろ!」
そんな事を俺は叫ぶ。けど流石はみんなLROをそれなりにやってきただけある。ちゃんと同じ様に危機感を感じて俺が声を発したときには回避行動を取ってた。一人を除いて。
「え? え? ちょ? ――うきゃ!?」
それはもちろんだけどメカブだ。一応メカブはローレやらアーシアの傍にいたんだけどな。ローレはアーシアをセラに任せて自分は一人でちゃっかり回避行動を取ってた。つまりはその場にメカブだけが取り残されてたわけだ。
哀れ……とかいってる場合ではない。何が起こるかはわからないが、実際この場で一番弱いのはきっとメカブだ。なのでこのままだと……このままだと……やられるかもしれないが、実際メカブがいなくて困ることあるか? と思った。いやいや、あいつだって仲間だ。見捨てるなんてできない。
とか思ってると、メカブの保護者であるオウラさんが俵のようにメカブを抱えてくれた。流石保護者。
そんな事を思ってたけど、なんか俺達がこの地面に浮かぶ文様から逃れるよりも早く、さらに文様は大きくなる。
「なに!?」
まずい……これ回避不可なのか? それこそ突出した速度……スオウ並のスピードがないとこれから逃れるのは無理なのかもしれない。そして次の瞬間だ。光が……俺の視界を埋め尽くした。
「うぅ……くっ……」
何がおきた? わからない。けど……ただ一つわかるのは俺が地面に倒れ伏してる……ということだ。そしてHPバーが一気に赤く……いやHP1になってる。これはきっとあれだ。1残しの攻撃……ってことだろう。いきなりする攻撃がそれって……あの妖精王、えげつなさすぎる。むしろ一撃死を与える攻撃の方がまだ性格いいまである。
わざわざ1を残して苦しめてるんだ。俺がこの状態ということは他のみんなだって……希望が有るとすれば……ローレだけど……
「くっ……」
体が重い。LROは他のゲームのように1でもHPがあれば問題なく動ける……ような仕様じゃない。1あれば死ぬ事は確実にないが……でもHPが赤い部分に入った時点で体はうまく動かなくなる。
こういう風に重くなって、かなり通常時よりも動きは制限されて……1ともなればこの通りだ。
でもまさかあの範囲、そして速度の攻撃で1残しの攻撃って……強すぎだろう。俺はそう思って宙に浮かぶ妖精王を睨む。てかそれしか出来ない。