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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2633 前に進むためのXの問い編 1017

 月の変化……それはまず地面からポコっと芽吹いた蕾から始まった。月の大地はどんなふうなのをイメージするだろうか? それは細かい砂が降り積もった不毛の大地……ではないだろうか? だって一番有名な月の大地の写真がそんなのだろう。教科書にもあったと思う。


 月には水とか植物はなく、砂と不毛の大地が広がってる……そしてこのLROの月だってそれは同じだった。イメージ通りと言える。イメージと違うのは城と街が築かれてた場所だろう。

 リアルの月では勿論だけどあんなのはない。でもそれ以外はイメージ通りの月だった。でも……今、そのイメージ通りの月に変化が起き出してた。だって次から次にこの不毛だった月の大地に緑が湧き出てるんだ。何回か瞬きをしたあとにはもうジャリジャリとする砂はなくなって、代わりに青々しい小さな草が周囲の大地に広がってた。見る限りそれは見渡す限り……と言って差し支えない。もしかしたらこの月の全てがこうなってる? こうなったらもう地上から見える月もその色を変えてるかもしれない。緑が混じってる……様な……さ。

 でも変化はこれだけにとどまらなかった。小さな草の間からニョキニョキと伸びていく枝。それはどんどん大きくなっていき、俺達の身長を有に超えていく。それにどこかからか、ドドドドドドドド――という音ともに地面から水がふきあがってきた。地上と違うのはその水は大地に帰ってない。むしろ空で薄く広がって水の膜? みたいなのを月に作り出し始めた。

 少ない……六分の一といっても一応月にも重力というのはある。だからその六分の一で支える事ができる僅かな水が月の大気……に残ってるんだろう。本当なら月を丸々覆う水をずっと維持し続ける……なんてできるわけないがないだろう。だってリアルなら、何にでも原因が必要だ。


 水が出るにはそこに水がある必要がある。何を言ってるんだ? と思うかもしれないが、つまりは本当の月では地下にだってこれだけの水はないだろうってことだ。でもここはリアルじゃなくパーチャル空間で、設定一つで何でもできる。

 だからこそ、地下から吹き出る水が尽きる事はない。そのおかげでリアルなら絶対に出来ない、月を覆うだけの水の膜が出来上がった。それは植物の光合成により生み出される空気を内側に押し留める役目を果たし、月の状態は急激に変わっていく。不毛だった大地が、生命あふれる大地へと急変化をしてるんだ。


 そして地球で言う所の3億年なのか……どのくらいの期間で今の様な地球になったのか知らないが、つまりはそれだけ長い時間を地球は要したが、それ早回しするように月は短縮して生命が生きられる環境になった。

 なってしまったんだ。


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