2632 前に進むためのXの問い編 1016
「そんなわけが……」
俺は流石にそれはない……それはないと思ってるからそんなふうに口に出す。でも……なんだろう。妖精王も本当にわかってないんじゃないか? という疑念がちょっとはある。その疑念が湧くのは月のシステム……その奥には会長とスオウが行ってることがおおきい。
あの二人がシステムの奥にいってるのだ。これで何か起こらないと思うほうが無理ではないか? アイツ等は二人共厄介事を引き込むたちである。2人は揃って「そんなのないない」――とか言うだろう。認めることなんてしないと思う。
でも俺から言わせたら二人共にその体質が有るのは明白だ。どっちも良い言い方をすれば主人公体質、悪く言えば巻き込まれ体質というか、引き寄せる体質というか? そんなところだろう。
「我はあくまでも手伝いをしてるだけ。この月の支配者が誰か忘れたか?」
ここの支配者……それは、それは……どっちだ?
「えっと、それはセツリか? それとも会長か?」
俺の言葉に、妖精王はニヤリと不敵に笑みを浮かべるだけで明言することはなかった。いや、こいつ結構余裕あるだろう。別に何が起こってるのかわかってなくても、別にいい――と思ってないか? 別に自分に不利になることはない、と思ってるような気がするぞ。
そんなやり取りをしてる間に、月の光を蓄えた塔は更に変化を仕出した。それはズズズズ……と地面を更に揺らして空中に浮かび上がったのだ。いや、空中というか、月の場合は宇宙空間か? まるで細長いロケットである。
けどそんなロケットと思ったのもつかの間、螺旋状だと思ってたその塔はぺりぺりとその螺旋が向けるようにペラペラとなっていく。一体どういう構造体なんだといいたい。そしてそのペラペラになった塔は月とLROの星を直接結ぶ架け橋の様な?そんなふうになった。その内の一つはどうやら世界樹に巻き付いたみたいだ。他の二箇所はよくわからない。
でも……確かに月と星は直接繋がった。するとすぐ近くにいた妖精王がいきなり「くくくく、ははははははははは!!」
――と笑い出した。どうした? さっきまで一緒に困惑してたのに、今は笑い出したぞ。その直ぐ側には赤いウインドウ。月のシステムウインドウだろうか?
「これは……なるほど」
「なんだ? どうしたんだ?」
俺は妖精王にそういった。答えてくれるかはわからない。だってさっきまでと違って、今の妖精王は……そう危険な雰囲気を放ってる。俺達は敵同士……それをわからせるような……そんな雰囲気だ。
「さあ、始めよう。ここを楽園とするときだ」
そういった妖精王。そして変化は唐突に始まった。その変化は妖精王ではない。それはこの月……この月の全体の変化だ。