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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2616 前に進む為のxの問い編 1000

「スオウそれは……」


 日鞠がちょっと僕を非難するような視線を向けて、首を横に振るう。それはきっと触れてはいけない話題……という事だったんだろう。実際触れづらいというのはわかる。だって家族の問題だ。それを他人がどうこう言うのはおせっかいというものだろう。


 でも……それじゃあ二人はもう絶対に邂逅しなさそうだ。きっと当夜さんはそんな覚悟が在る。けど……ここにいるじゃん。当夜さんはもうリアルにはいないかもしれない。リアルではもう一緒にいることは出来ないかもしれない。

 でも、彼の精神はここにある。それなら……それならここで位家族……をやってもいいじゃないか? 僕の様にセツリと当夜さんは嫌いあってるわけじゃない。寧ろきっと、もっと居たかった……と思ってるはずだ。そのはずだろう。

 二人は互いを思ってる。そうじゃないと、妹の為にこんな世界を作り上げるなんてことは出来ないし、セツリだって兄の為に涙を流す……なんてことない。僕にはわかる。だって僕はきっと両親の為に涙を流す? なんて事は絶対にない。恩があるとしたら、生んでくれたことくらい? だ。


「それは……」


 当夜さんが口を開く。けど、すぐに顔を逸らした。それに言葉も続かない。きっと彼はセツリにあう気はない。きっと裏からそっと見守るつもりだ。


「裏からあいつを守れれば満足ですか?」


 僕は言ってやる。日鞠だってわかってるだろう。強い視線で目を合わせると、「はぁ」と息を吐いた。でも止めはしない。もう僕の方に付くことにしたからだろう。


「けどあいつは……セツリはきっと当夜さんに会いたいと思ってます」

「もう、あの子は安定してる。今更……」

「今更ってなんですか? わかってますか当夜さん?」

「なにを……だ」


 わかってない? いや、わかってる筈だ。それとも、目をそらしてるのか。それならはっきりといってあげよう。いくら天才でも、人間関係とかは苦手ということもあるだろう。いや天才だから……か?


「あいつは一人なんですよ」

「君が……君たちがいる。友達だろう?」


 そういう当夜さん。そうだね。僕も……そして日鞠ももちろんそれは認めよう。でも……違う。そうじゃないんだよ。僕たちは友達……でも貴方は――


「友達と家族は違います」


 ――至極当たり前のことを僕はいった。


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