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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2615 前に進む為のxの問い編 999

 色々とここにきて、当夜さんと再びあって、LROの事、そしてもっと核心な可能性領域に思考間ネットワークの事……色々と話を聞くことができた。それはいい。それはとても大切なことだった……と思う。

 実際僕がそれを聞かされても……ではある。僕はただの一高校生だし? その話をするのなら、外にいる運営の仲間たちにしてあげた方が良いんでは? と思う。別にLROには運営の人達だって……ね。入ってるだろうし。GMゲームマスターとしてさ。彼等にはあってるのだろうか?


 ふとそんな疑問が湧いてくる。実際、あの会社の人達と当夜さんは良好な関係が築かれてたのだろうか? それは知らない。あんまり皆さん話したがらないしね。時々、ちょっとだけ漏れ聞く印象としては、そんなにコミュニケーションをとってた……とは思えないけど。

 でもここに当夜さんがいる……と言うのなら、これからのLROの開発とかのためにも、リアルの方の運営の人達は知っておいて損はない……と思うんだけど。リアルでは当夜さんはもういないわけだけど、ここに精神だけでもいるのなら……


(それにそれならセツリにだって……)


 それである。まあ最悪、運営の人達は仕事仲間であって、身内じゃない。当夜さんが知られたくないというのなら、僕だって無理に伝えようとは思わない。けどさ……セツリに対してはそうもいかなくないか?

 だってセツリはたった一人の当夜さんの妹だ。そして彼女は天涯孤独になってると思ってる。あの年で……だよ? もう今はその辛さを見せる事はしない。でも……目覚めたばかりの時とかは、夜中にすすり泣く声とか……そんなの聞いたことはある。当たり前だろう。だってもう誰も家族……がいなんだから。

 

 僕だって家族とかにそんなに思い入れがある方じゃない。寧ろ、自分の実父や実母に対しては何もおもってない。寧ろこのまま自分の人生に何の干渉もしないでほしい……と思うくらいだ。

 まあ最低限の親としての責任は取ってくれてはいる……けど、息子を放置して何年も帰りもしないし、なにか手紙とかくるわけでもない。はっきり言って父や母は僕の事を忘れてるんじゃないか? と思う。

 お金のことはきっと引き落としとかにしてるから、自動的になんとかなってるだけ……なんじゃないかな? 僕の家族はむしろ日鞠とその日鞠の家族の方だ。そう思ってる。だから日鞠の家族に何かある方が僕は心が痛む。家族だから。

 だからセツリだって、もしもまた当夜さんと会えるというのなら、きっと会いたいはずだ。たった一人の家族なんだから。


「当夜さん。セツリに会わないんですか?」


 僕はそう聞いてた。


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