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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2610 前に進む為のxの問い編 994

 僕は目を閉じて集中する。必要なのは見る事じゃなく、自分の中のコードを確かめることだ。そう思うと、ただただ、自分というコードが見えて来た。この世界で……この仮想の世界で自身を構築する為のコード。まるで人の様にまとまってるコード。

 それが……この世界での本当の自分。顔もなく、髪とかもない、ただの人型。そういう風になってる僕自身を知った。わかってたけど、でもこうやって本当に向き合ったのは初めてだったかもしれない。

 自分というコードの塊。これがこのLROの世界での僕。本当の……なんの皮もなくなった僕たちの姿。いつもは格好いい、それかかわいい外見で覆ってるけど、これが本当の……僕たちだ。コードで出来た体。


 でもこれをキモイとか思ってる場合じゃない。この膨大な自分……というコードの塊。その中に入り込んだ異物を見つけないといけない。でも……


(一つの存在を現してるコードも膨大なんだよな……)


 だってLROは何も違和感もなく、そしてリアルよりも優秀な体がこれだ。簡単なコードで出来てるわけない。なにせリアルからこっちに来て自然とこの体を受け入れられるんだからね。実際僕は全く持って、リアルの体をトレースしてるからってのもあると思う。

 もしもモブリの体でやってるプレイヤーとかは流石にログイン直後とかには違和感があるのか……それはわかんない。でも少なくとも、僕はこの体で違和感を持った事はない。


「大丈夫、自分自身に無い筈のコードはわかるよ。だってスオウはちゃんとコードに触れて来たてしょ?」


 そんな声が聞こえてくる。それは日鞠の声だろう。自分の体に仕込まれた当夜さんのコード。普通ならそれを見つけるだけで大変な筈。それにそれを仕込んだのが生みの親である当夜さんなら、自然とそんな事が出来そうなものだ。

 つまりはコードの理解度2くらいの僕では見つけることがそもそも出来ないかもしれない……とか思ってた。けど、日鞠はわかるという。コードに触れて来たその経験か生きるって……でもその時間で言ったら当夜さんの方が長いと思うんだけど? だって僕なんてコードに触れられるようになってまだ一年に届くかどうか……

 それに対して当夜さんは一体いつからLROを開発し始めたのかわかんないが、一年ちょっとではないだろうことはわかる。その差……かなりあると思う。でも僕は信じるよ。日鞠を信じる。日鞠と当夜さん、どっちを信じるかと言ったら当然僕なら日鞠だ。


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