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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2608 前に進むためのXの問い編 992

(友達と思ってない……は言い過ぎか)


 僕はそう思い直した。だって……僕は今までの日鞠の行動、言動を思い出してそう考えた。日鞠は普通では考えれないくらいに慈悲深い。それは拒否感がこいつには存在してないからだと言うのがわかった。

 だからこそ、人間関係に日鞠には上下がない。いや友達関係には? かも。家族と、そして僕は多分違うカテゴリーにあると思うが、それ以外は友達も、知らない人も一緒じゃないのか? ってさ。そこに貴賤はない。

 だから友達とかいう意識がないのかなってさ……でも……僕はずっと日鞠を見てきた。日鞠も僕をみてきただろう。僕達は互いに互いを見てきた。だから……やっぱり友達と思ってないとかない。

 むしろ、そうじゃなく、逆だ。今までのことを考えて思うに……こいつはもしかしたら他人も全部……いや人類全てを「友達」とか思ってる可能性の方が高い。なにせすぐに誰とでも仲良くなるやつだ。


 誰かと仲良くなる時、普通は……というか一般的には互いにさらけ出す事が必要だろう。全てじゃなくてもいい。けど、自分の事も、そしてその人がさらけ出したことも受け入れて、友達になれるもの。

 でもそんなの日鞠には必要ないのかもしれない。それは日鞠側に必要ないというか、日鞠がそんなの求めてないっていうね。そういうことだ。だって出会ったときには、いや出会ってなくても友達だから。


「ほら、スオウも見てください」

「やめろ!」

「見えない」

「スオウもコードも使えるでしょう。回避策はありますよ」

「教えるな!」


 あのノートを僕に見せようとしてきた日鞠。けど、どうやら今度は僕の目だけを見えなくしたようだ。流石は当夜さん。息をするようにコードを操ってくる。真っ暗だ。なにも見えない。けど……日鞠は見る必要はないという。

 実際、さっきの会話……日鞠が言ってたことを思い出すとその理屈はわかる。そもそもがLROでは僕達はこの目を使って見てるわけじゃないだろう。データとして受け取ってるのを映像として自分たちが解像してるだけだ。だからこそ『見る必要はない』――ということだろう。


でもそれってさ……


(言うは易く行うは難し)


 ――なんだよね。しかも相手はこの思考間ネットワークの始祖とも言える当夜さんだぞ? その相手に僕のコードの理解でどうにかできるか? とっても怪しいと思うんだが……


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