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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2598 前に進むためのXの問い編 982

「可能性領域によって開かれる人の新たな感覚。それを使って構築される無意識の繋がりが思考間ネットワークだよ。特徴は思考間ネットワークは使う人の多さでスピードが落ちるってことがない。むしろ思考間ネットワークは繋がる人が増えれば増えるほどに強固に、そして速くなる。 

 さらに初期投資はリーフィアだけでいい。電気ネットワークは世界中に張り巡らせてあるケーブルのおかげで距離を関係なく通信できるわけだけど、それには莫大な投資が必要だよね? でも思考間ネットワークには世界中に通すケーブルは必要ない」

「今はWIFIじゃん」

「それは末端に飛ばすところだけだよ。基地局から基地局とかはちゃんとケーブルで繋がってるよ。全ての通信、最初と最後まで無線でのやり取りはまだできてない。けど思考間ネットワークなら、出来る」

「これだけ聞くと、思考間ネットワークはメリットしかないな……」


 恐ろしい。何が恐ろしいってこんな便利なの普及しないわけなくない? いや待てよ……隙なんてないと思えた思考間ネットワークだけど、僕は一つ重大な欠点を見つけたかもしれない。


「待てよ、思考間ネットワークを使うにはリーフィアが必要なんじゃないのか? だってリーフィアをかぶって僕たちはLROにやってきてる。リーフィアは寝ながら使う事を前提としてるから、あんなのかぶって外なんて出歩けないぞ。スマホには勝てないじゃん」


 致命的な欠点。それはこのリアルと仮想をつなぐデバイスであるリーフィアだった。リーフィアはまさに夢の装置……それは間違いない。だって新たな世界を切り開いんだから。でも、今のままじゃ、手の中に納まるスマホには勝てない。誰もが持ってるスマホは、気軽にどこでも持ち運べて、それが苦にならず、そしていろんなことに使えるからだ。

 思考間ネットワークは凄い。だって都会とか、それこそイベントとかで電波が繋がりにくい……とかいうのが思考間ネットワークではなくなるという事だ。本当かはわからないが、思考間だからな。確かに人が少ないよりも、人が多い方がそれが強固になるような気はする。

 日鞠の説明は納得できる。でも今すぐに思考間ネットワークが普及するかというと、それは無理だ。せめてリーフィアがスマホサイズにならないと……けどそんな風におもってた僕に対して当夜さんが自信ありげにこう言ってくる。


「それは違うぞ少年」


 少年って……僕の名前知ってるだろうに。てか違うというのは? 何か間違ったことをいっただろうか? 思考間ネットワークの弱点……それはリーフィアだと思うんだけど……そこで再び日鞠が口を開く。


「思考間ネットワーク……ううん、可能性領域は実は一番最初に設定するときに開いてるんだよ。だから、その気になれば思考間ネットワークへのアクセスはリーフィアがなくてもできるんだよ」

「えっと、LROで?」

「ううん、リアル……現実でだよ」


 とんでもない爆弾を日鞠も当夜さんも落としてくれた。

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