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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2594 前に進むためのXの問い編 978

 あの二人の空気感……それに入る勇気が僕には必要だったのかもしれない。だっていつもはあそこにはいるのは僕だった。よく日鞠と一緒にキッチンには立ってたし……僕はより息ぴったりに洗い物を受け取って水気を切って手早く食器棚に戻す事ができる。

 どこに何を入れたほうが次に日鞠が使うときに使いやすか……も僕は考えて戻す事ができるんだ。観てる限り、当夜さんは流石にそこまで考えてはないみたい。とりあえず戻しておこうって感じ。


「スオウ、なにか飲みます?」

「あっ……あぁうん」

「特性のドリンクがあるんです。しぼりたてなんですよ」


 そんな風に僕に対してウインクしてくる日鞠。どうやらテンションがそれなり高いらしい。普段なら……リアルなら、ウインクなんてそうそうしないからな。リアルでは自分が地味って自覚有るみたいだからな。まあ地味だけど、ブスではないが。でもこっち、LROではメガネもしてないし、なんか垢抜けた感じ? がある。ちょっと年上になったような錯覚というか? そんなきがするような? 日鞠大学生パージョンがLROでの日鞠みたいな? いや、日鞠も会長と普段の姿を分けるためにわざわざそういう風にしてるんだと思う。でも日鞠は別にキャラクリできるというのに、リアルの方に寄せてるからな。けどやっぱり僕やセツリのように、なにもせずに勝手にリアルの顔になってるわけじゃない。

 最初はそれこそ、誰もが共通してる、パーツで構成された見た目から自由にキャラを作っていくことになる。そうなると逆に自分に寄せるってなかなか難しそうだよね。そういう知識があれば別だけど、日鞠はゲームとかやるタイプじゃない。だからってファッションとか、小物、メイクに一般の同年代の女子ほどに興味があるのか? といえば……そうでもなさそうではある。

 けど日鞠は大変なんだ。いつだって、仕事や手伝いとか、人助け……なんかに時間を使ってる。だからゲームなんてする暇はない。だってゲームって余暇でやるものじゃん。でも日鞠には余暇がないのだ。

 だからこんな風にまともにゲームをする……なんてLROが初めてみたいなものだろう。でもそれなりにリアルの日鞠に顔を近づけてるのはやっぱりきっと日鞠はセンスがいいんだと思う。


「おいあれを」

「はい、あれですね。ちょっとまってください」


 ぴくっと僕の耳が反応する。だって「おい」で「あれ」って……しかも日鞠にそれが通じてる。取り出したのはなにか銀色の筒だ。なにあれ? そう思ってると、更に容器をいくつか取り出す。

 そしてそれから取り出したのは黒い豆……黒豆じゃないよ。きっとあれはコーヒー豆だろう。それを手際よく取り出して、混ぜ合わせていく。取り出してる豆の行く先は測りが乗ってる容器みたいだ。

 2つくらい容器から取り出してるから、2つは種類が違う豆なのかもしれない。


「どうぞ、これで好みの味になるはずです」

「よしよし、みてやろう」


 なんか当夜さんは偉そうだが、とてもワクワクしながら自身が渡された銀色の容器に豆を移してギコギコとしだした。きっとあれはコーヒー豆を引く道具なんだろう。


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