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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2592 前に進む為のxの問い編 976

(これは一体どういう状況なんだ?)


 僕はそんな風に思ってた。なぜに当夜さんと一緒に食卓を囲んでるのか……ここに来るまではこんな状況、まったくもって想像してなかったから、困惑しかない。何か大変な状況になってる……とか思ってた。それこそ何かに捕らわれてるとか……コードという迷路に迷い込んでるとか……流石に日鞠さえも閉じ込める迷路なんてのは実際そうであったら、僕ではどうしようもなかったかもしれない。それでも、何か出来るんじゃないか? って思いだけでやってきた。

 みんなが僕のわがままに付き合ってくれて……それこそ、アギトたちとか、まだ戦ってるかもしれない。それなのに、こんな和やかな食卓を囲んでていいのか? と思ってしまう。


「なにか感想はないんですか?」

「相変わらずおいしいな」

「それはお粗末様です。これはですね実はなんと――」

「やめろおおおお、聞きたくないんだから。なんの食材でもいいんだよ。おいしければいいいいいいいいいいいいいい!」


 当夜さんはいきなり耳を両手で抑えて震えだした。一体何が? 僕は日鞠に視線を向ける。するとバチっと支線か交差した。そしてニコッと無言でほほ笑む。え? なに? 気になる。でも……当夜さんの反応的に聞かない方がいいんだよねきっと。

 てか既に僕も食べてるし。確かになんかとてもふっくらした白身魚だなーくらいにしか思ってなかったが、ここはLRO……なのかもわからないシステムの深淵だ。実際なんでも出せるんだろうけど……この魚が何なのかは謎である。


「そうですか? 私だっていつまでもはいれないんですから、ちゃんとレシピを知ってた方がいいと思うんでけど?」

「そもそも、ここで食事なんて必要ない。君が強引に作り出したんだろう」


 とりあえず箸を素早く動かして料理を消費していく当夜さん。その様子にめっちゃ満足してないか? と思った。言葉では「余計な事を――」的な事をいってるが、その箸が止まる事はない。なんの食材なのかとかも気にしてたけど、結局のところおいしければいい――ってのは本心らしい。そしてこういう食事を当夜さんは案外気に入ってる……というのも態度からわかった。言葉はつんつんしてるが、見てればわかる。


 どうやら日鞠は当夜さんに「食事」という行為を思い出させてしまったらしい。確かにここにある僕も、日鞠も、そして当夜さんだって意識を持ってきてるだけで、肉体はリアルにある。いや、当夜さんの肉体はもう……だから実際ここで食事なんてとる必要はない。

 彼もこのシステム深い所にいるからそんな物、必要ないと思ってたのかもしれない。実際、前あった時はかなり顔色とか悪かったし。でも今はどうだ? 運動をして、食事をして……以前よりも当夜さんの見た目はかなり健康的になってるのは確かだった。


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