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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2586 前に進む為のxの問い編 970

 僕は追いつくことをやめた。はっきり言ってモヤモヤとする。だって僕はそろそろ日暇を摂取しないとヒマリニムウ……がね。まあ日鞠の信者たちみたいにおかしな禁断症状がぁ! とか言わないが、実際ここずっと日鞠と話してない。

 あいつと知り合ってから、こんな日数日鞠と話さないとか初めてだから……日鞠の背中をみたからなのか。この思いが爆発しそうになってる。


(でもだめだ。落ち着け自分。少しずつ、少しずつ進んでる)


 僕はそういって自分のこの爆発しそうな感情を押さえつける。下手したら日鞠の姿が見えた瞬間に全速力で駆けつけて後ろからガバッとやりたくなる。でもそれはダメだ。一応僕はこの場所をハッキングして地図を表示させてる。その地図は日鞠に追いつくと変容してる。

 もちろん地図には1F2Fとかそういう詳細はない。そこまで詳細に表示なんてしてくれないからね。でも……変化が起こってるという事はきっと進んでる……そんな事だろうと思ってる。だってその度にこの場所は変化してる。そして僕はその変化の度に現れる日鞠の背中を追ってる。

 最初はただの白い廊下だった。それだけだ。それが永遠に続くような……そんな場所だったけど、追いつくのをやめて後ろを追いかけるようになって変わってきてる。どうやら日鞠の進む先に新たな道が出来てるのか、日鞠のスピードに合わせて、先――がみえる。

 時々扉が出てきて、プシューと自動で開く。勿論日鞠が通り過ぎたらすぐに閉じようとするから、僕は急いで閉じ斬る前に僕も扉を通る。なんかここで日鞠を見失うとだめだとおもったんだ。僕が日鞠を視界に収めてる……認識してる……それが大切なのかなって……なんとなくだけどね。

 扉の先はなんかさっきまでの近未来的だった廊下とは違ってた。どっちかというと、古臭いというか? なんか路地裏のちょっと汚い道……みたいになってた。左右壁もなんかコンクリートみたな? 古臭いビルの壁みたいになってる。それから何回か僕は扉をぬけてその度この廊下は変化をしてた。まるで学校の廊下みたいになったり、水が足首まで浸かってたり……流石にそれを繰り替えて追いかけてると次第にこれで良いかな? という気持ちも出てくる。きっとあの日鞠は導いてるんだと思ってるが、本当にそうなのかはわかんないからな。


 それにそこそこ時間たってそうな……さ。そんな感覚も焦や焦燥を生じさせる。そもそもがここはリアルじゃないんだから、やろうと思えば一瞬じゃないか? だって距離……なんてのは物理的にはないのだ。勿論LROのシステムが複雑怪奇なのは理解してる。

 それを色々と回避してる……と考える事もできる。下手に日鞠がみえるのも悪い。僕のこの気持ちがずっとモヤモヤとしてしまってるもそのせいだ。


 そんな事を思ってると――トン――とぶつかった感覚がある。気を付けてた筈だ。僕は日鞠にはおいつかないようにしてた。でもこの感覚は……日鞠の体温を僕は感じてる。

 なので思わず僕は日鞠を抱きしめた。


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