2584 前に進む為のxの問い編 969
意識が持っていかれてることはわかってた。LROの深い所……深淵へと行くにつれて、肉体と離れてる感覚がある。肉体から離れて……でも自分は自分で……この時の自分は魂という存在なのだろうか?
LROはフルダイブ型のゲームで、ある意味で脳をハッキングして、その意識をゲームに落とし込んでるといっていい。LROでは五感全て、ちゃんとその感覚がある。それだけ完璧に脳を騙してるというか? そんな感じだろう。
そしてLROをやってる間は元の肉体は動かない。てか動いたら問題だから、勝手に動かないように、脳から放たれてる信号とかは下の肉体に行かないようになってる。それは数時間、一日くらいは問題ないけど、もちろんだけど肉体は寝てても活動はしてるわけで……色々と催すものばあるわけだ。
でもそれは肉体と精神がやっぱり繋がってることを示してると思う。でも……この先は精神と肉体のつながりもあやふやになるんだと思う。そしてそうなると、自然と肉体も時間がたつにつれて衰弱をしていくことになる。
だって肉体は勝手に動き回るなんて出来なくて……ただ精神が帰ってくるのも待つしかない。そしてその間、意識はこのLROで普通に過ごせるわけで……肉体は精神が戻らなくなると弱っていくが、精神にはそんなことはないようにおもえる。もっとちゃんと検証したら何か変化があるかもだけど、誰もそんな検証はしたことないだろう。
でもこの場合……もうただの精神……とはいえなくないだろうか? それはもう、魂……じゃないか? 僕たちは魂をこのLROという世界に送ってる……と言えなくもない気がする。実際魂とか、精神、心……そんなのは今の医学でも何なのかははっきりしてない事だと思う。精神が実は魂そのもの……でもなんらおかしな事ではないだろう。
まあつまりは何が言いたいかというと、この先は危険だという事。きっとしれっとログアウトとか消えるんじゃないか? 危険……でも先に行かない選択肢はない。だってこの先にはきっと会長が……日鞠がいる。だってあいつがこれを用意したんだから、そうだろう。
でもただ危険に身を投じるほど僕だって馬鹿じゃない。せっかく祝福があるんだから、目印をつけていく。それがあれば、きっと日鞠を見つけても一緒に出てくることができるだろう。僕は深く導くコードの先……その深淵に落ちるように落ちていく。