2578 前に進む為のxの問い編 963
「妖精の国を作りたいのなら、勝手にすればいい。けど、どうして地上を犯す? 妖精たちをただ招けばいいでしょ?」
「こんな何もない所にあいつらを招いて何が出来る? 妖精たちは環境に適応できても、一から作ることは出来ない」
そんな風なことをいう妖精王。妖精たちは確かに何かを作ったりする……みたいなイメージはない。そもそも泥臭い事をしそうにはない。だっていつだってい自分たちの面白い……をやってるというか? 悪戯好きってそういう事だろう。
なので妖精王は先にこの地……つまりは『月』を整えようとしてるってこと何だろう。妖精たちが最低限住めるようにしようという事。
「それってつまり、怠け者な妖精たちの為に地上が代償を払ってるって事?」
「それは違うな。間違ってるぞ人間」
はっきりと……更に言えばなんか怒気が見えるようにこっちを睨んでくる妖精王。なんで私に対してそんなあたり強いの? 別に言ってることはセラとそんなかわんないと思うんだけど? なんで私にだけそうなの? 地雷でも踏んだのだろうか? でもどこにそんなのあった?
「違うとは?」
私が理不尽な怒気に困惑しててもセラはいつも通り冷静だ。話を促してくれる。
「地上に先に与えたのは我々だ。我ら妖精が地上に恵みを与えたんだ。だからこれは代償ではない。返還だ。徴収といってもいい。今までの分も纏めて返してもらってるだけだ」
「契約書は?」
「は?」
私も「は?」――だよ。真面目なセラのその言葉に思わず妖精王だけじゃなく私も「は?」と言ってしまったよ。それから妖精王は「なんだ? 契約書だと?」――とか言ってる。まあそうなるよね。セラは偉く真面目な顔で何をいいだすの? この場面で契約書って……いや厳格なセラらしいと言えばらしいけどね。
「ですから契約書です。返還請求をしてるいうのなら、それが正当と示す双方の取り決めを示さないといけないのは道理では? それもなく不当に地上を侵略するというのではあればそれは強盗となんら変わりありません」
「私が強盗だというのか!? この私が!!」
あ、怒っちゃったよ。そこはもっとオブラートに包まないとダメだろう。流石に今の言い方じゃ……ね。
「ですからそうではないと示すために、あなた方妖精の権利が正当な物だと主張する為の契約書を示してくださいと言ってます」
あくまでもセラは冷静だった。
「そんなものあるわけないだろう!?」
うん、だよねって思った。