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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2563 前に進む為のxの問い編 948

「君は何もわかってない。彼女の気遣いも何も……」

「何を……」

「あんなにも愛されてるというのに」


 びっくりである。いきなり妖精王がそんなことを言ってきたんだ。妖精王は僕はわかってないという。何も……全く会長……いや日鞠の気持ちを……


(なんだよそれ……)


 ――である。僕だっていつも日鞠の事は気にかけてるっての。気遣いとかいうけど、僕だってあいつの事は気遣ってる。あんまり煩わしくしないようにしてるしさ。なにせ日鞠は忙しい。それに沢山の人に日鞠は愛されてるし、頼りにされてる。沢山の人に求められてる。

 あいつは太陽のようで……けど近くにいっても焼き尽くさない。それこそ包み込んでくれるような……そんな奴だからこそ、皆が日鞠を好きになる。自分の事よりも誰かの『困った』を優先するような……そんな奴だってわかってる。


 だからこそ、僕だって……そう僕だってもっと恋人らしい事したかったけど、忙しい日鞠に対して「ちゃんと理解してる彼氏」をやってた。日鞠が忙しいのはわかってたし……あいつは学生なのに既に色々な事をやってる。

 それがもうバイトとかの域を超えてるのだって知ってる。その全てを知ってる訳じゃないが、沢山の人を助けて、手助けして、沢山の人を笑顔にしてるだろう。そんな彼女を僕だけが独占していいのかって……


 本当なら僕だってたくさんしたい事はあった。


(だって男子高校生だぞ!?)


 そう叫びたいよね。考えてみてほしい。世の男子高校生が何を考えて生きてるのかを! そんなのは決まってる。大体Hなことだろう。彼女がいなくたってそういう事を日常的には考えてるものだ。

 ならば彼女かいるのなら、彼女とそういう事をしたいと思うのは、普通だろう。それを我慢するのが男子高校生にとってどれだけの苦行なのか……でも僕は日鞠を尊重したかった。

 それはあいつが大切だからだ。なのに……なんかポッとでのイケメンにまるでそっちが彼氏かのようなムーブをされてる。カチンとくるよね。唯一妖精王の今の言葉で褒めるところがあるとすれば「愛されてる」という部分だけだろう。

 どうやら僕は愛されてるらしい。そこはいい……けど。でも妖精王の言葉はまるで僕は愛してないかのようじゃん。確かに声を大にしてそれをいうのは憚れる。なにせ恥ずかしいし……そんなに口にしてはなかったと思う。

 でも僕たちは幼馴染だ。繋がりはそこからのカップルよりも強いと思ってる。そんな事を思ってるとセラがなんかぶった切ってきた。


「そんな曖昧な心情の話などどうでもいいですよ。実情、予定よりも会長様は戻ってきてません。こちらにだって信じて待つのに限界があるんです」


 はっきりとそういうセラ。こいつのキツさが自分自身に向いてないと頼もしいなって思った。

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