2556 前に進む為のxの問い編 941
大きく聖典が半円を描くように飛んでる。四つの聖典とさらに二つが素早く動き妖精王へ攻撃をしてる。二つの聖典は上手くスオウと連携をとって妖精王を攻撃してる。でもそこは妖精王。まるで踊るような動きでうまく聖典とスオウの攻撃をいなしてる。すると大きく半円を描いてた四機がさらに迫る。四機の内の三つが反面を向けて三角形を作って合わせた光線を撃ちだした。強力な一撃。でもただ直線的な攻撃なんて……そう思ってると、なんとその光線の中から一機の聖典が飛び出てくるじゃないか。なんという意外性。確かに大きく曲がってた時は四つ居たのに、光線をあわせて放つ時の合体が三つなのはどうしてだ? と思ってた。どうやら隠れて飛び出すためだったようだ。
あんなこともできるとは……そして意外性をついて妖精王へと突貫か? とか思ったけど、どうやら違うらしい。飛びでた一機は妖精王へとは向かわない。むしろ逆だった。なんとビームから飛び出た聖典はスオウに向かっていく。
「なっ!?」
スオウはその恵まれたスピードで聖典の突進をガードした。けど空中だ。いくら風帝武装で空気を蹴れるといっても、それはちゃんと意識した時だろう。だから今のいきなりの聖典の突進を受け止めたスオウは聖典によって妖精王から離される。
「なるほど、流石セラ。よくやった」
私は杖を向ける。シャランという音が響き、一気にこの月の都市を丸ごと覆うような魔法陣が姿を現す。今まではこの魔方陣を隠してた。けどもう隠す必要はないだろう。セラは気が利くやつだから宿に籠ってたヤドカリも他の聖典で避難させてる。
「これはこれは」
妖精王はあくまで余裕を崩さない。その姿には癪に障るが、私は気にせずに極大魔法を撃つことにする。てか流石にここからはもう止まれない。ちゃんと止めるテクニックはあるが、それはある段階で止める……その魔法が発動するプロセスを逆手にやったやり方だ。
発動までのプロセスでここなら溜め……ができるって所を把握したらできる事。それ以上進んだらもう止めることは出来ない。そしてもうそれ以上に進んでしまってるからね。実際、これを放ったら月の街のかなりが破壊されるだろう。
そのくらいのエネルギーがあるのは妖精王だってわかってるだろう。でもあの余裕。きっと何かある。でも私は放つ。
「現ち彼方の千兆が指し貫く。極光」
最後を紡ぎ、魔方陣からそれを飲み込むようにし極大の光が柱のようにそこに立つ。それによって月の街は丸ごと全てを飲み込まれる。