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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2542 前に進む為のxの問い編 926

 僕はそもそもが裏技(祝福)を使って無理矢理に月のシステムに侵入してるに過ぎない。だから僕にはなんの権限もない。だからここはセツリの権限を借りて解除を試みる。 

 なにせ妖精王が無理矢理なのかそうじゃないのかわからないが、どうにかして二人目の月の女王を設定した。そしてその権限を利用してこの機能をオンにしたのなら、同じ権限を持つセツリがオフにできない道理はない。

 今は多分、システム的にバグってるというか? 多分だけど……


(本当なら月の女王というのは一度に二人になりえることはないんじゃないか?)


 ――ということだ。オンラインゲームならだれもがユーザー一人一人が英雄とかになるから、沢山英雄が存在してしまう訳だけど……LROは特定の立場の人とかは、かなり絞ってるとわかる。それこそ早い者勝ちみたいなさ……その立場になるには運だって必要で、誰もがその立場にたどりつけない……みたいなように出来てる。


 それこそ同じ国の王様が二人も三人もいたら国的におかしいからな。けど、今までオンラインゲームならそういう実はとても少ない筈の立場とか称号とか……それを何人も持つ……なんてのは何の疑問もなくあった。

 けどそれをLROはゆるしてない。だからこそ、世界樹に対応した御子だって……アルテミナスで王になってたのだってそうだし……今の鍛冶屋の立場だってそう。他の変わりはいない。

 ローレはリセット前はそれこそヒイラギがやってた立場である世界樹の御子という立場だった。ならばリセット後もそこに行く道筋とかわかってたんじゃないか? でも、結局ローレはその立場には収まってない。

 それはアイリさんだってそうだ。リセット前はアルテミナスの王だった彼女。でもリセット後は一冒険者で納まってる。そしてどっちにも既に変わりがいる。王が二人も三人もいるような事は出来ない……


 じゃあ、今のこの状況はなんなのか? 実はどっちかが『王』の立場で、セツリは変わらず『女王』だった……とかいう落ちなのか? それならまあ、どっちにも同じくらいの権限があってもおかしくないかもしれない。


(けど、システムは『女王の権限』と明確に告げてる。つまりはどっちも女王のはずだ)


 そういう事である。二人の女王……それをどうやったのかそこら辺はわからない。もしかしたら会長が祝福で無理矢理やったのかもしれない。会長ならそれが出来るだろう。

 でもそこには色々と無理があるはずだ。僕は会長程にコードの理解はない。それは紛れようもない事実。でも……このくらいなら……無理矢理作られた二人目の女王。それによって発生した権限の重複。でもこっちを優先するようにするくらい……


(僕にだって出来る!)

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