2540 前に進む為のxの問い編 924
『よくわかんなかった。だって大体私、月の事には干渉してなかったし? ごめん!』
そんなメッセージがセツリから送られてきた。確かにあいつは意図的に月には必要以上にかかわらないようにしてたからな。それがここにきて悪手に働いてる。きっとこれも妖精王の仕業と観るのが良いと思う。
けど……
(妖精王は流石にコードを触れはしないだろうから……そういう設定があると見た方がいいよな。でもなんでこんな設定が?)
それが疑問だ。だってこんなの有効にするときなんて限定的すぎると思う。まあLROの設計思想的に、なんでもまずは導入してみて、それを使うか使わないかはユーザーに任せる……みたいな感じだから、一応実装だけはしてある……みたいな機能は実はそこそこある。
だからこれもその機能なのかもしれない。コストを増やすとかなんの意味が? と思うが、別にそういう楽しみをする奴もいるかもしれないから、導入だけはしてた……みたいな? なにせLROは遊び方に制限を掛けないみたいなコンセプトあるからね。
確かに王道的な冒険活劇ができるが、それだけがすべてじゃない。農業だって出来るし、自分の店を持つことだって出来る。もっといえば自分の家庭をこの中で持つことだって出来るんだ。
その内、王様とかになるプレイヤーとかが出るかもしれない。実際セツリは月の女王だから王様ではある。リセット前はアイさんだってエルフの国のトップだったからな。
けどその気になれば、一から国を興すことだって……てかそれに近い感じになってるのがテア・レス・テレスかもしれない。なにせ今や各国に認められた存在になってる。そういう自由度が売りでもある。
(けど設定にあるのなら、僕からだって見つけられる筈)
それを解除するのに権限が必要だとしても、今はセツリが味方になってる。ならば問題なんてないだろう。
「これか……」
僕はその設定を見つけた。祝福がある僕に不可能はない。あとはこれをセツリに解除してもらうだけだ。僕はセツリに同じ場所まで行けるように、今度はメッセージじゃなく画面共有の通話で教えることにした。
『ふう、ここなら大丈夫』
「妖精王に疑われてもしてるのか?」
なんかレスポンス悪いからそんなことを聞いてみる。実際月側にいるセツリに何かあったら困る。不便になるからね。
『そういう事じゃないよ。それにあの人は私には干渉しないしね。ヒイラギが幼くなってるじゃん? だから精神的にも……ね。まあめっちゃ可愛いんだけど』
どうやらヒイラギのお世話に追われてるらしい。だから一人になるのが難しい……ということか。とりあえずさっさと終わらせよう。ヒイラギにも悪いし。
『あったあったこれだ。それじゃあ女王の権限でこれは解除します。ぽちっとな』
そんな事を言いながら再度のタップで解除をしてくれるセツリ。するとこんなメッセージが現れた。
『月の女王の権限の重複は出来ません』
――とね。