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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2524 前に進む為のxの問い編 908

「さて、取ってきたわよ」


 そんな風に言ってローレが戻ってきた。その背後にはぴっちりとしたスーツを着た男性がいる。白い髪のボリュームが凄い奴だ。青年風のあいつは僕をにらんでる。あれはシルフィンの奴だろう。ローレの召喚獣の一人。普通は召喚獣はずっと出しておく……とかしない。いや、MPとかいう概念がないLROだから、召喚し続けても何かが減っていくとかないと思うが、普通はその時だけしか召喚しない筈だ。てかシルフィン以外はそうしてるし……でもこいつだけはずっとこうやって存在し続けて擬人化までしてローレを支えてる。

 リセット前はそれこそちょっとは親しくなってたが、今やこの通りだ。僕を見たら射殺せるんじゃないか? ってくらいににらんでくる。僕は以前はローレのチームに所属してたわけだけど、そこでも結局シルフィンと話す事はなかった。何回か何もない時とかにあったりしてたけど、こっちが話しかけてもスルーなんだよね。

 何か手を挙げてくる……なんて事はないし、にらんできても一瞬だったはずだけど……今やあからさまだ。きっとローレが僕と親しくしてるのが気に入らないんだろう。でも間違ってるぞシルフィン。ローレが親しくしてるのは僕ではなくアーシアである。そこを勘違いしないでほしい。まあそれを訂正もできないんだけど……


 とりあえず触らぬ神に祟りなし……シルフィンの視線は華麗にスルーを決め込む。そしてローレが見せびらかしてるそれを見る。ちゃんと確認するためにもコードが見える目にして確認した。


「確かに月の石だな」

「私たちも何個か確保してるからね。もってる奴は全部持ってきたわよ」


 そう言ってローレの奴は後ろのシルフィンへと合図をする。するとなんか古めかしい……というか風呂敷みたいなのを広げる。そこには八つの月の石があった。


「こんなに?」

「なぁに? びっくりした?」


 ニヤニヤとしてるローレ。こいつ……絶対に自慢したいがためにこんなに持ってこさせただろう。てかなんでシルフィンという労働力を使ってるんだ? プレイヤーにはインベントリという便利倉庫がある。それを使えばいいだけだ。なのにわざわざ風呂敷にいれて持ってきてるのは、風呂敷からガラガラと一斉に出してびっくりする僕たちを見るためだろう。それできっと優越感に浸りたいのだ。実際、それがわかっててリアクションをするのは癪でしかない。

 でもこれは思わず言葉をこぼすのを止められなかった。だってテア・レス・テレスでも三つだったぞ? いや、あれがテア・レス・テレスが集めた全部ではなかったのかもしれないが、有に倍を出してきた。実際ローレのチームはトップテンには入ってるが、トップ5には入ってないって位置だ。でもその統率力とか行動力はテア・レス・テレスとも引けをとってないと感じる。偉ぶるだけの根拠がこいつにはある。そう思った。

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