2520 前に進むためのXの問い編 904
「私は大人気なんですけど? 私のグッズをつくれば一瞬で売り切れるくらいには大人気なんですけど? あんたはわかってないだろうけど、私って愛されてるの!」
早口でそんなことをまくしたててくるローレのやつ。そこまで必死にならなくても……なんかそこまで矢継ぎ早になられるとこっちも「お、おう」くらいしかいえないじゃん。
そうなると……
「その反応信じてないでしょ?」
ほらねこんな風になってしまう。僕に近づいてきて、必死にしたから睨んでくるローレ。爪先立ちして、体をピーンと伸ばして必死に僕を睨んでくるローレ。プルプルとしてるが大丈夫か?
「なんで? ローレちゃんには友達いっぱいだよ?」
そんな風に無邪気な言葉がローレを救う。それは勿論だけどアーシアだ。そんなアーシアの言葉に得意げになるローレ。アーシアは無邪気で純粋だからこそ、疑りぶかいローレも、素直にその言葉を信じることができるんだろう。
僕が同じような事を言ったとしても「はっ? 馬鹿にしてるの!?」――と、なるに決まってる。
「アーシアのいう友達ってなんだ?」
「それはほら、ローレちゃんを好いてる精霊たちだよ! みんながいるんだから沢山――でしょ?」
「アーシアちゃん!」
アーシアの言葉に落胆したのか、ローレの奴は僕からアーシアに抱き着いて、その背中をペコペコと叩いてこういってる。
「もうー! そうじゃないんだよー!」
――とね。ローレにとって精霊たちは友達とかではないんだろう。それにいくら精霊が友達でも……ね。「人間は?」とか言われたら、反論できなくなるからね。
「ローレ、今日は帰って泣いていいぞ」
「ダメだよ! ローレちゃんも月に行くの!」
そういって頬を膨らませて抗議してくるアーシア。ちぇっ、このままこいつを帰そうと思ったのに……かたくなにローレを連れて行こうとするな。
それだけローレが必要とアーシアは感じてるのか?
「いや、ほら、こいつもショックを受けてるし」
「ふん、なによこのくらい。私は問題ないわ。いってあげる」
むむむ、気持ちを切り替えてローレはそういってくる。どうやら本気でついてくる気のようだ。確かに戦力的にはこいつは頼りにできる。それは確かだ。でも実際何が起きるかわからないわけで……
「危険があるんだぞ?」
僕は真剣な表情でそういうよ。けど、そんな僕の警告をローレは鼻で笑い飛ばす。
「はんっそれがなに? 危険だとしても、行かない理由にはならないわ」
――てね。