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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2513 前に進むためのXの問い編 897

 何だって利用してやる!! そんな心持で居たわけでだけど、……いやだからそこなのか、変な空気感になってる。そもそもが日鞠が目覚めさないことは摂理だって気にしてる。

 本当なら摂理とかもお見舞いというか? 状態を見たいと思ってるだろう。けど僕以外はあの家に行ったことない。それは日鞠の希望だからだ。日鞠は僕意外にはあの場所は教えたくないらしい。なぜかはわからない。自身の秘密基地にでもしたいのかもしれない。

 そういう所あいつにはある。遊び心を忘れないやつだしね。もしかしたら目覚めたあとは僕とのデート場所とかに使うためかもしれない。けど流石に今はそんな浮かれた事を考えてる場合じゃない。

 そんな甘々なことも、日鞠が戻ってこない事にはありえないんだ。今はまだ、ただあの豪邸が日鞠を守ってる場所であって、その寝顔を観るためだけに行くの場所でしか無い。そんな甘々な事は一切考えられない。

 もしも日鞠が目覚めて二人であそこで過ごすとなったら、きっと甘々な事を想像できるだろうけど、今はまだあの豪邸にある印象は日鞠の楽しそうな顔よりも、いつもベッドの上で寝てる日鞠だけ。


『……だにぇ~。そんな事……だにぇー』


 テレビからそんなふにゃふにゃな声が聞こえてくる。テレビから漏れる音はテレビ放送ではない。テレビで地上波を観ることなんてもうあまりない。動画サイトでアニメや映画を垂れ流すとか、それかVチューバーの生放送を垂れ流すとか……そんなのばかりだ。だからこれもその一人。テレビには絵がヌルヌルと動いて楽しそうにやってる。

 けど食卓を囲んでる僕と摂理は黙々と僕が買ってきた弁当を食べてる。うまいのは美味い。だってそこそこ高い弁当にしたからそうであってなくちゃ困る。けどそれで盛り上がれるかというと……そうじゃない。いつもなら他愛ない話をして居心地のいい雰囲気を出すことも二人であっても最近はできてたはずだ。

 流石に直近はそうでもなかったけど……やっぱりこの雰囲気は日鞠が予定を超えても戻ってこないから、摂理も僕に気を使ってる。いや、違うな……僕が気を使わせてるんだ。

 外から聞こえるセミの鳴き声。エアコンの音……そしてテレビから聞こえるふにゃふにゃな声。


「まだこのゲームやってたんだ」

「今日でもう終わりそうかも? 私のほうが早くクリアしたけどね」


 どこで張り合ってるんだ? と思った。摂理のやつが配信とか始めたら一瞬で人気になりそうではある。だってイラストを使う必要なんて無いくらいの容姿をしてる。

 けど流石にそれは危険か。全世界に摂理の容姿を晒すのはリスクがでかい気がする。それからも他愛もない話を……と思ってたけど、単発で終わってしまった。するとポツリと摂理がいう。


「なにかやるきなんでしょ? 私にできることなら手伝うよ」


 顔を上げて摂理をみると彼女は優しい顔をしてた。

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