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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2512 前に進むためのXの問い編 896

 油断してる姿を見せてくれるようになったのを喜ぶべきなのか、女性への幻想というのを持ったままで居たかった……と嘆くべきところなのか……なかなかに判断に困る所だ。

 まあ別に摂理の場合はそこまで悲観する程に顔が変わってる……なんてことはない。なにせ素の顔がめっちゃいいからだ。普段から化粧をバチバチに決めてるタイプでは摂理はない。

 むしろ、化粧なんて煩わしい……とか思うタイプだ。高校生だし、まだ肌だってピチピチだろうし、顔になんでも感でも塗りたくる……ってのは摂理にとっては「なんでこんな事をしなくちゃなの?」という感じなんだろう。


 けどそんな事を他の女子に言ったら、袋叩きに会うことは必須。いや、世の中の女性を全員敵に回す発言でもある。そのくらいは摂理もわかってるのか、化粧をやるのはぶさいくだけ……みたいな発言はしない。


 実際摂理はその顔の素の良さから化粧なんて必要じゃないくらいだからだ。それは特別な事だということはわかってる。


「なんだか、空元気だね」

「別にそんなことは……」

「ここ数日ずっとそうじゃん。それで、今日は早くない?」


 きっとこんな早くに戻って来る……なんて思ってなかったから摂理はそんな事を言ってきてる。僕だって本当なら今日も一日日鞠の側にいるきだった。でも……そうも行かなくなった。

 それに……だ。側にいるだけがやれることじゃない。あいつは、ただ待つ人よりも、迎えに来てくれる人を好いてるだろう。そもそもあいつは誰かを導きたいわけじゃない。

 ただ、一人でも多く、一緒に歩いてくれる人を増やしたいやつだ。だから……皆に優しい。けど大体の人は皆日鞠に一線を引く。どうしてか? それはあいつが凄すぎるからだ。日鞠の周りにはたくさんの人がいる。でも友と呼べる人がいるかというと……そうじゃない。

 日鞠の周りにいるのはだいたい信者とか心酔してる人になる。最初は友達でもそうなる。信者や心酔してる人も一緒に歩んでくれるだろうけど……そうじゃないのだ。間違ったら怒って、嬉しいことは共有して、些細な事を笑い会える……そんな人達が日鞠はほしい。

 僕は……僕だけはずっとその位置に居て、そして今や彼氏になった。ならば、あいつを迎えに行くのは僕の役目だ。だから……こうやって戻ってきた。


「摂理……」


 僕は真剣な表情で摂理をみる。僕は今、利用できることは何でも利用する気でいる。

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