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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2510 前に進むためのXの問い編 894

 5日が経ってた。それは日鞠が目覚めなくなってから5日である。これはおかしい。だって日鞠は2・3日……と言ってたのだ。けどまだ日鞠は目を覚まさない。そもそもが日鞠なら2・3日とかいったのなら、だいたい2日で目覚めるやつである。

 もしもなにかやるべき仕事があったとして、そのときに今回と同じように2・3日とかいったら、必ず2日……いや、日鞠ならそれそこ一日と半とかにまで短縮してしまう――そんなやつだ。


(なのに……どうしたんだよ日鞠)


 長くなる何て思ってなかった。実際2日めで既に不安でずっとこの場所にいた。日鞠が眠ってる豪邸。そこに詰め寄ってた。けどいくら予定の日を過ぎても目覚めることばなかった。

 流石におかしい……とおもって「おい、おい」と揺さぶって見たりもした。いつきても、何も変わらないように見える日鞠。きっと隅々まで屋久さんがきれいにしてくれてるんだろう。


 いままでは僕はこの家では屋久さん以外とは会うことはなかった。それは今までは極力、この事を日鞠は伝えてないから……だと思ってた。実際それは間違ってはないだろう。親にも真実はいってなかった。

 けど日鞠の家族は今もまだそこまで心配してない。どうやら日数が伸びたときの工作もちゃんと用意してたらしい。ならばこれもまだ予想の範囲なのかもしれない。

 けど不安がよぎってる。家族への言い訳はあくまで保険だったんじゃないのか? 3日くらいなら、それこそ友達の家に泊まってるとか、ちょっとしたなにかのイベントの手伝いとか……そんなので通せるかもしれない。なにせ今は夏休みだしな。

 でも流石に5日、一週間となるとそうはいかない。これ以上……なんてのは家族が、そもそも日鞠が自分でそれを許すわけ無い。そこらへんちゃんと日鞠は自分にルールを課してる。家族を大切にしてるやつだってわかってる。だからこれはきっと……予定外。

 1日中ここに居たときに、僕は開発陣の人達にもあった。二日目も……そして三日目もだ。明らかに三日目の夜にあったときは焦ってたと思う。


 それはそうだろう。また一人……といっても、されど一人だ。出れない人が出現したとなったら、それこそ今もフルダイブゲームの危険性を訴える団体とかいるわけで、そんな奴らにこの情報が流れでもしたら、今度こそLROは完全に終わり……となりかねない。

 いや、国がバックアップまでしてそうだし、もしかしたら強引にもみ消しにかかるかもしれない。それが団体の方ならいいが……もしも日鞠の方をなかったことにしようとしたら? 流石に僕でも国なんて相手できない。勿論諦める気なんてないが、リアルではこの目以外は僕は普通の男子高校生だ。

 強さなんてのはない。そうなると……ね。流石に国相手だと勝ち目がない。だから早く日鞠には戻ってきてほしい。その時だ。僕のスマホが振動する。こんなときに誰だよ? と思ったら、それは意外な人物。いや意外すぎる人物からのメッセージ。

 僕はスマホを見て、ベッドで眠る日鞠を観る。それをきっと3回は繰り返しただろう。そして立ち上がる。


「どうしました?」


 屋久さんがそんな事をいってる。なにせ今日もきっと僕はここに居座る気だ――と彼女は思ってただろう。そんな僕が立ち上がって去ろうとしてる。声もかけたくなるだろう。

 僕はそんな屋久さんにこういうよ。


「日鞠を助けに行きます」


 そう、だって今のメッセージは日鞠からだ。


【助けて】


 ――そんな一言が送られてきてた。

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