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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2503 前に進むためのXの問い編 887

 僕には嫌な予感がよぎってた。このまま日鞠が目覚めない可能性。それを色々と皆さん頑張って運営側の人達はやってたけど、いかんせんLROには謎が多い。

 それに開発のプロトタイプは当夜さんが一人で造ってたらしいし、それの上にLROというゲームは開発されてる。深部になるとなるほどに、よくわからないコードがあると時々あう運営の人達はいってた。

 なので、いくら現在の開発の人達が対策をしたとして……なんだ。どこから謎の仕様が湧いてくるのかわからないってのがLROである。そんなの再販するなよ……であるが、再販の声が大きかったのも事実。

 現時点では他に同じようなゲームは市場に出てない。きっと大手と呼ばれる開発会社は同じようなゲームを躍起になって開発してるのかもしれないが、現時点ではリアルなフルダイブ型のゲームはLROしかない。


 それに他の会社が同じようなゲームを出して来たとして……同じような体験ができるのか……は未知数だ。だってLROは色々とおかしなところが多い。謎な技術が詰め込まれてる。

 それを再現できないと、きっと他のVRゲームをプレイしたとしても、満足できるものにならないだろう。でもその没入感の高さが、精神までもゲームの世界に閉じ込めてるのかもしれない。

 実際、LROはその実績がある。だから今回も……もしかしたら……


「しばらくは日鞠ちゃんは戻ってこないと思う」

「そう……なのか、やっぱり」


 あの伝言を聞いたときから……いや、玉座に座って寝てた会長の姿を見たときから、嫌な予感はしてた。だってあの姿を見た時、心臓が握られたみたいな感じがした。

 でもその不安をあのときはなんとか振り払ったわけだけど……


「けど私だって止めたんだよ!? やっぱりやめようって! それは本当だからね」

「うん……それはわかってるよ。でもあいつはきっと必要とか言ったんだろ?」

「……やっぱりずっと一緒にいるだけあるね」


 なんか一瞬寂しい顔をしたようにする見えた摂理。けどすぐに何があったのか教えてくれる。


「私達がリア・レーゼで戦って戻った時、もう二人の話は済んでたみたい」

「日鞠の目的とかは? 聞いてないの?」

「それは教えてくれなかった。でも私のためでも在るっていってたよ」


 自分のためで、妖精王の利益にもなって、そして摂理のためにもなる? そのために、眠りについた? 眠りについたってのは本当に寝てる訳じゃないだろう。その意識がシステムの深部へと入り込んで出てこないって事だと思う。

 前に閉じ込められた人達はシステムが捕らえてたわけだけど、日鞠は違うだろう。日鞠はきっと自らシステムの深部へと向かったんだと思う。なんの為に? それは……よくわからない。けど日鞠はLROに僕とかでは気づかない何かを見出したのかもしれない。

 けどだからってこれって……


「どのくらいで戻ってくるとか言ってた?」

「2・3日っていってたけど」


 とりあえず朝になったら隣の家に突撃して日鞠がどうしてるのか確かめる必要があるだろう。家にいないなら、どこかで2・3日匿われてるはずだし……


「ほら、あの日鞠ちゃんだよ? きっと大丈夫だよ」


 摂理は僕を安心させようと明るい声でそんなことをいってくる。でも摂理はそのLROの中で長い間眠りについてたわけで……説得力ないよね?


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