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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2505/2701

2493 前に進むためのXの問い編 877

 大きな……いや巨大な扉。白亜のその扉は細かな装飾が刻まれてて、固く口を閉ざしてるようにみえる。でも……コクリと頷くテア・レス・テレスの一人。きっとこの中に会長がいるのは間違いない。

 そしてそうなるとあと何人、その場にいるのか? 最悪……は勿論想定しておくべきだろう。思うんだけど、この先はきっと玉座の間だ。だって作り的にそうだ。僕達は城の内部に入って大きなエントランスから二口になってる緩やかな階段を上がった。そして左右の道には目もくれず、まっすぐに進んだ。そしてもう一回階段を上がってたどり着いたのがここである。


 つまりは僕達は城の正面玄関から入って、ついぞ横道にそれるなんてことはなかったということだ。そしてたどり着いたのがこの巨大な扉というわけ。しかもこの扉の前もかなり広く造られてる。


 ここに大人数が待機する想定だからだろう。それもこのさきが玉座の間なら納得だ。こんな正面玄関から一直線の玉座の間なんて攻められた時を考えたら不利だろう……とか考える事もできる。

 なにせ普通はそういう重要な場所には簡単にたどり着けないようにする……というのが常識だ。てかきっとちゃんとリアルに実在してる城はそうなってたような? 内部の構造までは僕は城マニアではないからよく知らないが、城にたどり着くまでもなかなかできないように設計されてたとかどこかで聞いた。

 ならばこのあまりにも親玉のところまで行けるのは愚の骨頂かもしれない。けど考えて見てほしい。ここは【月】なのだ。そう地上とは違う月だ。地上ではそこらに敵がいるから、攻められることを想定しないといけないだろう。どうやったら攻められても追い払えるか、中に入られても時間を稼げるか? を考えないといけないから、複雑になるのである。

 けど月には他の勢力……なんてのは存在しない。ならば複雑化することになんの意味もない。効率化を考えると単純な方がいい。

 それに月のシステムはシム系のシステムなのだ。効率という言葉を好きそうだ。きっとこの先には玉座があってそこにいるであろうメンツはこの月の主要な奴らだろう。妖精王だけじゃない。セツリにレシアとかもしかしたらヒイラギだって……


「よし行くぞ!」

「 「 「せーの!!」 」 」


 テア・レス・テレスの人達がみんなで肩を扉に押し付けて無理やり動かそうとしてる。どうやらそれくらいしないといけないようだ。テア・レス・テレスの人達の頑張りで巨大な扉は――


ギゴ――ゴゴゴゴゴゴゴ


 ――という音を響かせて開いていく。中に開いていく扉。この押してる最中に攻撃されたら……とか思ったけど、そんな無粋な真似はこの場でやるやつはいないらしい。

 僕は押してなかったから真っ先にその姿を目に入れた。玉座には眠ったように目を閉じて体をその椅子に預けてる会長の姿。それだけがあった。

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