表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2489/2700

2477 前に進む為のxの問い編 861

 月の石を確保できた自分たちは急いでレスティアへと戻った。実際現地でやるのが一番早いが、だからって不確定要素が大きすぎた。もしもまたこの月の石から月人が大量発生したら、その責任は確実にテア・レス・テレスへとむけられる。


「でも、よくあのモブリ達が月の石を渡してくれましたね」


 レスティアへと戻り花の城の一室に厳かに置いた月の石を見つつそういった。レスティアはなんか今まで一番という位には人が少なくなってた。きっとプレイヤーが今回の月の騒動でそれぞれの国へと繰り出していってるからだろう。だいぶ騒動も一段落つきつつあるし、そのうちまたレスティアも人が多くなりそうだけど、今はとても閑散としてた。そんな中を突っ切ってきて、花の城でもそこそこ奥まったところにきた。本当はそこらへんの部屋でいいのでは? とか思ったけど、最悪を想定した場合、ちゃんとした場所が良いみたいだった。

 流石にこの城を壊されるとかしたくないんだろう。


「モブリ達はきっとどうでもいいから」

「どうでも?」

「つまりは月の石にはそれほど興味がない……という事だよ。むしろ、自分たちが月の石を使って何か問題を起こした方が彼らにとっては都合がいい。それにどのみち、この月の石はモブリの国の物だしね。貰ったのではなく、借りたという体裁だ」


 それはわかってるけど……問題が起きた方がいいとか……それは一体? だってもしもテア・レス・テレスで問題が起きてしまったら、援助とか厳しくなるかもしれないじゃん。そうなると困るのはあのモブリのお偉いさんたたちだ。だってきっとテア・レス・テレスはかなりの支援を約束してる。それなのに……


「責任の所在は明らかにしてるからね。これを使って起きた事は全てテア・レス・テレスの責任だ。モブリ側が比を追う事はない」

「なるほど……」

「だが、別に批判するだろう。なにか問題が起きたらね」

「なんだそれ……」

「責任はこちらにあるが、口だしていけない契約はかわしてないからね。なにか問題が起きたとして、それをモブリ側が知れたのなら、きっとこっちの不手際を口実にして、リア・レーゼの奪還は無償で手をかせ……とかいってくるんじゃないかな?」

「そんなの……」


 許していいのか? と僕は口をあんぐりと開けてしまう。だってここまでよくしてくれてるのに、そんな善意に付け入るような事をしてくるなんて……それが国としてのやり方なのかもしれないが……なんで素直にお礼をいうという事が出来ないのか。それに奴らは偉い奴らなんだよ。偉いからプライドが高いのはわかるけど、偉いなら見本にもならないといけないんじゃないの? そういうのはないのか? 


「まあそんな雑事は君が気にすることじゃない。君には祝福を使って月への道を開いてもらわないといけないんだ。そして会長の元へ行けるようにしてもらう。それだけを考えくれ」


 サン・ジェルクやリア・レーゼの事は二の次……そう言い切る彼。いや彼だけじゃない。テア・レス・テレスの中核の人たちはきっとそうだろう。そんな国やらなんやらのぶつかりなんかよりも大事なのは会長を取り戻す事。だからこそこうやって僕にも協力してくれてる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ