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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2476 前に進む為のxの問い編 860

「よかろう。テア・レス・テレスと我々はとても良い関係が築けそうじゃ。きっと神も喜んでおる」

「ありがとうございます」

「その……な。出来うるのなら、リア・レーゼを取り戻す助力も……」

「もちろん、そのつもりです。月にこの世界の礎たる世界樹をいつまでも渡しておくなんてできません。それはこの地の……この星に生きる者の義務でしょう?」

「…………ぁあ、ああ、そうじゃ! うむうむ。その通りじゃ!」

「ああ、まさしく」

「最もだ」

「よくわかっておる」


 テア・レス・テレスの彼のその言葉に、我が意を得たりとばかりのモブリ達。本当に彼は……よくわかってる。確かにモブリのお偉いさんの思い通りになってるだろう。彼らはテア・レス・テレスからの援助を確約させて、その約束をさらに拡大解釈しようとしてる。なにせリア・レーゼをこのままにはできない。いや、リア・レーゼというか世界樹……か。最悪リア・レーゼという町は放棄しても、世界樹だけは……と思ってそう。けどテア・レス・テレスの助力を得て、それらを取り戻そうとしてる。本当ならそれこそ、他の国に援軍を派遣してもらうような事案だと思う。

 それだけこの世界に重要なのが世界樹だろうし。でもどうやらサン・ジェルクのお偉い人達はなるべく金をかけたくないらしい。それに対外的に頭を下げるのも……ね。けど今この場でリア・レーゼの奪還の協力も得られれば、テア・レス・テレスという大きな力を借りることができる。それを戦力としてリア・レーゼを奪還すれば、プライドは守られる……とかきっと思ってる。やっぱりエルフの国や人種の国……そこらに援軍を頼むとなれば、こいつらの内心はともかく、どちらも大国なわけで、高圧的に出来るわけはない。むしろ頭を下げて頼む側だ。

 でも……だ。でも、テア・レス・テレスは国じゃない。チームなんだ。ならば、対外的にはどうなるのか? テア・レス・テレスをモブリの軍として組み込んで運用したことにすれば、自分たちでリア・レーゼ、ひいては世界樹を取り戻したぞ! という事を言えるかもしれない。そこまでじゃなくても、同じ立場の『国』に援助を頼むよりも、チームであれば「使う側」になれるときっと彼らは考えてるだろう。それが彼らにとってはとても都合がいいだ。


「必ず助力を約束しましょう。まずは手始めにすぐに人員と、それに資金の援助もこのくらい……」


 そういって彼は小さな手帳に何かを書いてモブリ達に見せた。すると――ゴクリ――と喉が鳴る。


「どうしました? 足りなかったですか?」

「ううぬ、いや、十分だ」

「それはよかった。なら、月の石の方は……」

「あい、わかった。だが危険がないように頼む。もうあんなことはこりごりじゃからな」

「それはもちろん」


 どうやら交渉はおわったらしい。予定通り、彼は上手くテア・レス・テレスに月の石を確保してくれたみたいだ。

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