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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2472 前に進む為のxの問い編 856

「これが原因の……」


 僕とテア・レス・テレスの何名か、いわゆる幹部とか呼ばれる人達だと思うけど、その人達でサンジェルクの宮殿へと来てた。そしてそこにはなかなかに豪華なローブを纏ったモブリ達もいる。


 僕たちは数人だが、向こうは数十人はいる。彼らは半円上の三段の壇上に等間隔においてある椅子に座ってて、こっちをみてた。きっとあの座りも意味あるんだろう。序列とかさ。

 けどそこら辺はモブリの政治に詳しくない僕にはわからない。そしてそんな彼らの前の台座の上に浮いてる石がある。何の変哲もなさそうに見える石だ。まるで鰹節の削られる前みたいな形の石といえばいいだろうか? そんな感じ。

 それが魔方陣で封じ込められてるように浮いてた。その石を球状になった陣が常に動いて複雑に封印してるように見える。僕はあれを見た瞬間にすぐにコードの目にしてる。

 それでわかったのは……


(複雑な術式すぎる。あれのせいで月の石のコードが見えないじゃん)


 ――である。わかる、わかるよ。だってあれが全ての原因。そしてあれを回収させたのはそもそもが月側の思惑だったのだ。それはもう明らかだろう。だってこの日、この深夜に一斉に様々な国の一番重要な場所で同じような月の暴走が起こった。これが散発的な出来事なら、どこかの国が多大な犠牲を払うだけになっただろう。

 事故だった――で済んだかもしれない。けど同時多発的に今回の事は起こってる。どう考えても事故ではない。完全に作為を感じる。つまりは今回のこの大事件は月側の作戦なわけだ。そして……ここサン・ジェルクと対を成すモブリの都市であるリア・レーゼは事実として月側に落ちた。


 それを考えると、この月の石を彼らができうる限り最大限の封印処理を行うのは至極当然の行いだ。寧ろそれをやらない方が非難されるレベルだ。だから彼らは何も間違ってない。間違ってない……けど。

 今の僕にはこの封印は困る。だって……だ。だって今この瞬間、会長は月にいる。月には空を飛んでいける訳はないだろう。ならばどこかに道があるはず。

 僕たちの考えではその『道』がこの月の石だ。

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