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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2461 前に進む為のxの問い編 845

「ぬお!?」


 妖精王が私のかかと落としをかわして右側にいった。私は意地でもつないでる右手を離す気はないから、掴んでる妖精王の左手が引かれるとタンッ――と私は石畳を蹴った。妖精王に飛び込むように私は膝を前に出して向かう。


「むおおおおおおお!!」

 

 流石ダンスをやってるだけあってどうやらは妖精王の体は柔らかいらしい。背中をくの時に折るようにして私の膝蹴りをかわす。でもこのまま行ったら流れが止まってしまう。というわけで私は繋がってる腕に力を込めてピタッと止まる。


(いい体幹してるね)


 私は感心しました。腰を限りなく水平にしてるのに、私の体を腕一本で支えてくれてる。こっちには右手だけど、向こうは左手です? もしかして左利きなのかな? 私は鳥を意識してつないでない腕をしなやかに伸ばして、顔も斜め上を向く。顎を伸ばして首から鎖骨、胸に続くラインを意識して美しく見せてる。

 きっとこんな感じだろうと私は白鳥の湖的なのを意識してます。伸びてる方の脚もなるべく美しさを意識してピンと伸ばす。


「ふっふっ……」


 せっかくのイケメンが台無し……とは言わないが、妖精王はかなり体に無理をかしてるのだろう。真っ赤になってる。けど目が合った瞬間にきらーんと目が光ったのがわかった。いや通じ合った……のかも? ギュッ――と私の手とつながってる手が強く握られたのがわかりました。来る――とわかったので、私は妖精王が勢いよく体を戻してきたのに合わせてさらにポーズを変えました。それはいうなれば夜明け。

 私は体を起こした妖精王の前ではなく、その勢いを利用して今度は彼の頭の上でピーンと逆立ち状態です。


「は?」


 まさかそんな風になるとは思ってなかったんでしょう。しっかりと夜明けのポーズを決めた所で、私は今度は音もなく妖精王の左側に降り立ちました。彼の手が変な風にならないようにちゃんとこっちも気を使ってるんです。気づいたら主導権を握ろうと妖精王がステップを踏み始めました。とりあえずちゃんとそれに合わせてあげます。


「ふっ――どうにかしたかったようだが、残念だったな」


 そんな風に妖精王が向かい合っていってきます。こんな近くでこの顔面が微笑んでくるとか、きっと普通の女性は夢のようでしょう。私では妖精王の顔面に釣り合ってないから、やっぱりセツリちゃんくらいの顔面は必要だな~って思ってます。私が合わせだしたから再び月のダンスに巻き込もうとしてるんだろうけど、そうはいきません。


「えい」


 とりあえず再び足を踏んで強制的に流れを切る。けど流石に二回目ともなると妖精王も私をちょっとは無理矢理気味にダンスに巻き込もうとしてきます。けどそうはいきません。勢いをつかせられるのなら、それを利用するまでです。

 妖精王はあくまでダンスをしようとしてる。けど私はダンスをそこまでする気はないのです。ダンスにかこつけて攻撃をしていけばいい。こだわりは大切ですけど、こだわりすぎると足元をすくわれますよ?

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