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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2459 前に進む為のxの問い編 843

 私はわずかな体の移動だけで妖精王の攻撃をかわします。左右からの攻撃はわずかに触れて、ちょっとだけその軌道をそらす。どうやらダンス的な動きをしてるような気がする。きっと妖精王の頭にはミュージックも流れてるのかもしれない。そして私はこれまでの戦いでなんとなくその曲調を掴んでる。曲がわかればリズムがとれる。リズムが取れれば、動きの緩急だってわかる。だってリズムには早いリズムとか遅いリズムとかある。

 とりあえず今の所妖精王の頭の中の曲は三つくらいあるみたいだ。それぞれ速い曲と遅い曲と中くらいの曲がある。それとそれをどんな風に使ってるのかもなんとなくわかってきた。速い曲は攻撃を仕掛ける時に頭に流してるようだ。大体同じリズムで攻めてくる。中くらいの速さの曲が常に意識してる曲だろう。攻防一体と言っていい。

 そして遅い曲はここぞという場面。そしてこっちの攻撃にカウンターとか決める時に使うみたいだ。普通はここぞって時こそ、さらに早い曲……テンションが上がる曲を使うのでは? とか思うだろう。実際私もそう思う。でも速い曲をさらに速い曲で飛ばしちゃうと、何か弊害があるのかもしれない。それに実際ここぞというときに必要なのはスピードじゃない。

 それは焦りとも言えるしね。決めに掛かるのなら一番必要なのは余裕でしょう。油断も焦りもなく、ただしっかりと自分の一番の攻撃を当てる余裕が一番大切だと私は思う。カウンターだってそうだ。焦って返そうとしても、失敗してしまうものです。焦らずにじっくりと見極める事こそが重要。だからここぞというときに遅い曲を使ってる妖精王の事、私は評価アップした。

 まあそれもここまで知られてたら意味はないですけど。私は同じテンポで動いて先に来る二体の妖精王の攻撃をそらし、さらにトントンと背中について一体の態勢を掌握。最後にやってきてた本物だろう妖精王にクルクルと回転してるその一体の妖精王をお返ししてあげる。でもどうやら妖精王はそんなの気にしないらしい。普通にぶつかると思われた瞬間に私がクルクルと回して向かわせた妖精王は消えて、一歩遅れてやってきてた妖精王が腕を伸ばしてくる。


 攻撃……というよりも私を掴むための動作……と観た方がいいだろう。よけようにも、これは無理だ。避けられない。うまく向こうのリズムにはめられた。私の肩に優しく触れた妖精王が私の肩を支点に体の向きを変えさせられる。抵抗はしてないから私はすんなり背中をみせた。そして近づく息遣い。背中には妖精王の体の圧とかがわかる。

 触れ合ってるのだ。私はスオウ意外とはここまで近づきたくないんだけど……これもある意味ダンスと思おう。だって……


「ついてこれるか?」


 そんな風に耳元で言われたからね。きっと妖精王も私とのダンスをご所望なのだろう。そんなのはセツリちゃんとやればいいのに……まあセツリちゃんがちゃんとしたダンスを覚えるとは思えないですけど。

 とりあえず探りを入れるためにも付き合いましょう。

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