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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2458 前に進む為のxの問い編 842

 月……というのは特殊なフィールドです。この月全体が特殊すぎるのです。まず、ここに降り立った瞬間に私はHPが削られてる。


『月の居心地により、不快指数が上昇してます』


 そんなシステムからのメッセージが私に真っ先に届いた。居心地って……なに? とか思ったけど、多分その居心地というのは月の環境の事だと思われる。やっぱり月って宇宙空間にあるわけだよ。やっぱり惑星と違って月には空がない。大気がないからだろう。つまりはそういう事。この月には空気がないのだ。それが不快指数として私のHPを持っていってる。けどこれは考え方によってはまだ優しい。

 なにせ……リアルでは宇宙服を着ずに宇宙に生身で出ると、人間の体は膨らんではじけるらしい。地上では感じることはないが、いろんな圧力が体にはかかってた、そして地上の生物はそれを前提にして生きてる。よく聞くのが両肩には一トンの力が常にかかってるとかいうのだ。重力だってそうだ。私たちはそれを感じることはないが、ちゃんとその力は体にかかってる。

 それを感じないのはそれがあたりまえだから、前提として体が作られてるから。でも一歩その星を出たらすべてが変わる。やっぱり月とは環境がまるで違う。ここLROの月もリアルと同じなのかはわからないが、重力とかは六分の一とかじゃなかっただろうか? 地上と全く違う月では色々とうまくいかない。体を一つ動かすだけでも体は動きすぎてしまう。 

 さらにいるだけで減っていくHPが焦りを生む。それに……地上で得られてた恩恵……それらがここでは受けられない。完全にアウェーです。けど、大前提がここはゲームで現実ではないというのがある。ここで私を殺したとしても、地上で復活するだけです。まあ私がやられたというのを喧伝されると、テア・レス・テレスの評判が落ちるかもしれない。

 けどその程度ならどうにでもなります。こうやって戦ってるけど、私たちが戦う意味とは何でしょうか? なんで妖精王はここに私を引っ張ってきた? 私がいなくなったことで、サン・ジェルクを取りやすくなった? けど私がいなくても皆はきっとちゃんとしてくれる筈。私がいないだけで崩れるほど、テア・レス・テレスはやわじゃない。


 寧ろ妖精王がいないと戦略的に月人を運用できないと思う。彼等には知性はない。それに対策も万全。サン・ジェルクは守れる。なら目的は私……私をここに引っ張る事。邪魔を気にせずに私と戦いたかった? 私はそんなに目立ったつもりはないですけど……セツリちゃんかな? そんなあたりをつけつつ、私は妖精王の攻撃をよけ続けます。


「素晴らしい! 貴様、既に『月』に対応してるな!!」


 そんな事を嬉しそうに妖精王は言ってくる。

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