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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2455 前に進む為のxの問い編 839

 早速サン・ジェルクのゲートクリスタルへと出る。サン・ジェルクは大きな湖の上にできた都市だ。水の都と呼ばれる美しき場所。ゲートクリスタルから出ると、噴水が吹き上げた光景が見えた。周囲には沢山のプレイヤー。

 けど……


「あれ? 戦闘は?」


 ……それだ。なにやら空気が明らかにリア・レーゼとは違う。リア・レーゼはピリピリとしてた。当たり前だろう。なにせ街の運命がかかってた。それは戦闘をする人から、できない人……全ての人がピリピリしてた。その戦場の空気……ってのが蔓延してた。隅から隅までも……


 でもここはどうだ?


「がはは、いえーい!」

「かんぱーい!」

「お疲れー」


 明らかに全て終わった空気である。これってつまり……そういうことか? てかリア・レーゼの避難民を素早く受け入れることができるってことからもわかっておかしくなかったかもしれない。

 だってまだ月の侵攻が収まってなかったら、流石にサン・ジェルクの上層部もリア・レーゼの避難民を受け入れる決定は出せなかったかもしれない。でもちゃんと飛空艇はサン・ジェルクへと飛びたてた……それはつまり、もうサン・ジェルクの問題は解決してたから……その予想は簡単にできた筈。

 この光景を見るに、それはきっと間違いない。もう月の侵攻をサン・ジェルクは退けてる。けど……


「あの、ちょっといい? テア・レス・テレスの人たちはどこに?」


 とりあえず一番事情を知ってるのはテア・レス・テレスの人達だろう。なのでその人たちに聞くのが一番だし……なんならそこに会長だっているだろう。それならいいんだ。ちゃんと会長がいればいい。

 てか……終わってるのなら会長はそこにいるはずだ。


「ああ、テア・レス・テレスの連中なら向こうに――」


 そんな風に言葉を全部聞く前に僕は走り出した。


(問題ない。終わってる。なら、何を焦る必要がある?)


 自分でもわからない。終わってるなら、会長だってそこにいるだろう。サン・ジェルクの街並みを走ってると、前方に黒い集団が見えた。至る所で先勝ムードを感じるのに、僕の心からは焦燥が消えない。テア・レス・テレスの人達――僕はそこに近づく。


「どういうことだ!」


 そんな声が聞こえる。その声は聞いたことある。だってさっきまで一緒に戦ってた筈だ。そのテア・レス・テレスの隊長さんの一人。その彼がなにかいってる。


「なんで……戦闘が終わったのに会長が戻ってきてないとはどういうことですか!?」


 そんな声が僕の元まで届いてきた。ドクン――と心臓がはねた気がする。

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